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ED治療薬と降圧薬・α遮断薬は併用できる?低血圧を避ける確認ポイント

ED治療薬と高血圧の薬・前立腺肥大症のα遮断薬を併用するときの注意点を解説。硝酸薬などの禁忌、低血圧症状、診察で伝える薬を公的資料で整理します。

ED・男性医療医師による医療情報レビュー済み公開日: 2026年10月7日更新日: 2026年10月7日公式情報確認日: 2026年10月7日
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高血圧の薬や前立腺肥大症の薬を飲んでいると、「ED治療薬を使うと血圧が下がりすぎるのでは」「薬を休めば使えるのか」と心配になることがあります。結論から言うと、降圧薬を飲んでいるだけでシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルがすべて使用禁止になるわけではありません。一方、ニトログリセリンなどの硝酸薬・一酸化窒素(NO)供与薬やリオシグアトは併用禁忌です。α遮断薬は併用注意で、成分、血圧の安定性、開始用量を医師が確認する必要があります。[1-4]

自己判断で血圧の薬や前立腺の薬を中止すると、もとの病気を悪化させるおそれがあります。「ED薬を使いたいから今日は降圧薬を抜く」という調整はしないでください。薬名が分からない場合は、お薬手帳、薬袋、薬の写真を診察時に見せるのが最も確実です。

この記事では、併用禁忌と併用注意の違い、α遮断薬との組み合わせ、低血圧症状が出たときの行動、オンライン診療で伝える情報を、国内電子添文を中心に整理します。個別の処方可否や用量を決めるものではありません。

先に結論|薬の種類で対応が違う

服用中の薬ED治療薬との位置づけ自分で判断してよい?
ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジル、亜硝酸アミルなど併用禁忌併用しない。胸痛時も自己判断で使用せず、救急隊へED薬の服用を伝える
リオシグアト(アデムパス)併用禁忌併用しない
アムロジピン、カンデサルタン、エナラプリル、メトプロロールなどの降圧薬併用注意降圧薬を勝手に中止せず、処方医へ薬名と血圧を伝える
ドキサゾシン、テラゾシンなどのα遮断薬併用注意。症候性低血圧に注意ED薬・α遮断薬のどちらも自己調整しない
タムスロシンなど尿路選択性のα遮断薬併用時の血圧変化は成分で異なるが、確認は必要「前立腺の薬だから関係ない」と省略しない
成分不明の個人輸入品、他人の薬成分・用量・併用リスクを確認できない使用しない

「併用注意」は、誰でも必ず使えないという意味ではありません。病状、普段の血圧、立ちくらみの有無、薬が安定しているか、ED薬の成分と用量を確認したうえで医師が判断する区分です。反対に「併用禁忌」は、自己判断で時間をずらして併用できる区分ではありません。

なぜ血圧が下がることがある?

ED治療に用いられるシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルはPDE5阻害薬です。性的刺激で生じるcGMPの分解を抑え、陰茎の血管を広げる反応を助けます。全身の血管にも作用するため、ほてり、頭痛、めまい、血圧低下が起こることがあります。

降圧薬やα遮断薬にも血圧を下げる作用があります。併用すると作用が重なり、立ち上がったときのめまい、ふらつき、失神などが起こる可能性があります。脱水、大量飲酒、発熱、下痢、入浴直後、高齢、複数の降圧薬の使用などが重なると、症状が出やすくなる場合があります。

ただし、高血圧を治療している人全員がED薬を使えないわけではありません。EAUのEDガイドラインは、一般的な降圧薬との併用で生じる血圧低下は通常小さいとし、α遮断薬との併用でも血行動態は変化し得るものの、海外データでは低血圧による有害事象の増加が明確ではないとまとめています。これは国内電子添文の「併用注意」を無視してよいという意味ではなく、個別評価の必要性を示します。[4]

併用禁忌|硝酸薬・NO供与薬・リオシグアト

国内電子添文では、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルはいずれも、硝酸薬・NO供与薬との併用が禁忌です。代表例は次のとおりです。[1-3]

  • ニトログリセリンの舌下錠、スプレー、貼付薬
  • 硝酸イソソルビドの内服薬・貼付薬
  • ニコランジル
  • 亜硝酸アミル
  • その他の硝酸薬・NO供与薬

肺高血圧症などに使うリオシグアトも併用禁忌です。どちらもcGMPを介する作用が重なり、症候性低血圧を起こすおそれがあります。

胸痛時にニトログリセリンを使うよう処方されている人は、ED治療薬を使用する前に必ず循環器の主治医とED診療側の双方へ伝えてください。ED薬服用後に胸痛、息苦しさ、冷や汗、失神が出た場合は、性行為を中止して119番へ連絡し、ED薬の成分、用量、服用時刻を伝えます。ニトログリセリンを自己判断で使わないでください。詳しい行動はED治療薬服用後の胸痛と硝酸薬禁忌で確認できます。

通常の降圧薬は一律禁忌ではない

シルデナフィルの電子添文は、アムロジピンなどの降圧薬との併用で降圧作用が増強した報告があるため「併用注意」としています。タダラフィルでも、アムロジピン、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタンなどが併用注意に挙げられ、アンジオテンシンII受容体拮抗薬との併用で、自由行動下の収縮期血圧が最大8mmHg、拡張期血圧が最大4mmHg低下したとするデータが記載されています。[1,2]

この数字は「誰でも必ず8mmHg下がる」「8mmHgまでなら安全」という意味ではありません。試験条件での最大変化であり、普段の血圧、薬の組み合わせ、年齢、腎・肝機能、脱水などによって反応は異なります。

降圧薬を飲んでいる人が診察で伝えること

  1. 薬の商品名または成分名
  2. 朝・昼・夕・就寝前のどの時間に飲むか
  3. 最近の家庭血圧と脈拍
  4. 立ちくらみ、転倒、失神の経験
  5. 胸痛時だけ使う薬や貼り薬の有無
  6. 腎臓病、肝臓病、心不全、不整脈の有無
  7. 飲酒量、脱水しやすい状況

診察で問題がないと判断されても、初回は飲酒や長時間の入浴を重ねず、急に立ち上がらないようにします。強いめまい、失神、胸痛が出た場合は追加服用せず、症状に応じて救急要請を含む医療対応を受けてください。

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α遮断薬との併用は成分と安定性を確認する

α遮断薬は、高血圧や前立腺肥大症に伴う排尿症状の治療に使われます。薬袋に「血圧の薬」と書かれていない場合でも、血圧へ影響することがあります。代表例にはドキサゾシン、テラゾシン、タムスロシンなどがあります。

PDE5阻害薬とα遮断薬はどちらも血管を広げるため、併用で症候性低血圧が起こる可能性があります。特に、α遮断薬を開始・増量した直後、もともと血圧が低い、立ちくらみがある、複数の降圧薬を使用している場合は確認が重要です。

シルデナフィル

バイアグラの電子添文は、ドキサゾシンなどとの併用で、めまい等を伴う血圧低下が報告されていると記載しています。併用する場合は降圧作用が増強する可能性があるため、低用量25mgから開始するなど慎重に投与する区分です。[1]

これは、患者自身が25mgへ割る、処方量を変更するという意味ではありません。処方医が製剤、用量、他の薬を確認して判断します。

タダラフィル

シアリスの電子添文は、ドキサゾシンとの併用で失神等の症状を伴う血圧低下が報告されているとして、α遮断薬を併用注意にしています。健康成人を対象とした外国試験では、ドキサゾシン8mgの定常状態でタダラフィル20mgを単回投与したとき、立位収縮期血圧の最大下降量は9.81mmHg、立位拡張期血圧は5.33mmHgでした。[2]

同じ電子添文には、タムスロシン0.4mgとの外国試験では明らかな血圧への影響を認めなかったというデータもあります。しかし、健康成人18例の試験結果を、持病や他の薬があるすべての人へそのまま当てはめることはできません。「タムスロシンなら絶対安全」と自己判断せず、薬名と用量を申告してください。[2]

バルデナフィル

バルデナフィルの電子添文は、α遮断薬との併用で症候性低血圧が現れるおそれがあるため、まずα遮断薬による治療で患者の状態が安定していることを確認し、低用量5mgから開始するよう定めています。[3]

バルデナフィルはCYP3A4阻害薬や抗不整脈薬など、別の併用禁忌・用量制限もシルデナフィルやタダラフィルと同一ではありません。3剤の特徴はED治療薬3種類の比較で整理しています。

前立腺の薬を飲んでいるときの落とし穴

前立腺肥大症の治療では、α遮断薬のほか、5α還元酵素阻害薬、PDE5阻害薬などが使われます。同じ「前立腺の薬」でも作用が異なるため、病名だけでなく薬名を確認してください。

また、タダラフィルにはED治療用と、前立腺肥大症に伴う排尿障害用で製品・用量が異なるものがあります。別の医療機関でタダラフィルを処方されているのに、ED薬ではないと思って申告を省くと、同じ成分が重複する可能性があります。

次の状況では、オンライン問診だけで自己判断せず、処方元へ確認します。

  • 前立腺の薬の名前が分からない
  • 複数の泌尿器科・内科から薬を受け取っている
  • 最近、α遮断薬を開始または増量した
  • 夜間や起立時にふらつく
  • 転倒・失神したことがある
  • ED薬またはタダラフィルがすでに手元にある

「時間をずらせば大丈夫」とは限らない

薬同士の作用は、飲んだ瞬間だけ重なるわけではありません。作用時間、半減期、腎・肝機能、反復投与による定常状態などが関係します。数時間ずらせば安全だと自己判断したり、朝の降圧薬を抜いて夜にED薬を飲んだりしないでください。

とくにタダラフィルは作用時間が長く、前日に飲んだ薬の影響が残る可能性があります。処方医から服用間隔の指示がある場合はそれに従います。効かなかったから同日に別成分を重ねる、もう1錠追加することも避けてください。

低血圧の症状が出たらどうする?

服用後に軽いふらつきが出た場合は、転倒しない場所で座るか横になり、運転や入浴をやめます。追加のED薬、飲酒、自己判断の降圧薬追加は避けます。症状が治まっても、次回の服用前に処方医へ連絡してください。

次の症状がある場合は、119番を含む緊急対応を考えます。

  • 意識を失った、反応がおかしい
  • 強い胸痛、胸の圧迫感、息苦しさ、冷や汗
  • 立てないほどのめまい、顔面蒼白
  • 片側の手足が動かしにくい、言葉が出にくい
  • 動悸が強く続く、脈が極端に速い・遅い
  • 転倒して頭を打った

救急隊には、ED薬の成分・用量・服用時刻、降圧薬・α遮断薬の名前、硝酸薬の有無を伝えます。お薬手帳や薬の包装があれば一緒に渡します。

高血圧そのものとEDの関係

高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などは、血管性EDと心血管疾患に共通するリスク因子です。EDが新しく出現した場合、薬だけ受け取って終わりにせず、血圧、血糖、脂質、喫煙、運動習慣などを確認する価値があります。

一部の降圧薬が性機能へ影響することはありますが、EDを理由に降圧薬を急に中止すべきではありません。血圧管理が不十分になる方が心筋梗塞や脳卒中の危険を高めます。EDが薬の開始・増量後に出た場合は、経過を主治医へ伝え、血圧治療とED治療を一緒に調整します。

オンライン診療で省略してはいけない情報

オンライン診療でも、対面診療と同じく併用薬の確認が必要です。問診には次を記載します。

  • すべての処方薬、市販薬、サプリメント
  • 頓服、貼り薬、スプレー、目薬を含む薬
  • 高血圧、狭心症、心不全、不整脈、前立腺肥大症の有無
  • 最近の家庭血圧と脈拍
  • 立ちくらみ、胸痛、息切れ、失神の有無
  • 過去に使用したED薬と副作用
  • 他院や市販で入手したタダラフィル等の有無

薬名が入力欄にない場合は自由記載へ書き、薬の画像共有が可能なら撮影します。医師が対面評価や循環器受診を勧めた場合は、その案内に従ってください。初診の準備はEDの初診・検査ガイド、原因・治療全体はED治療の完全ガイドで確認できます。

受診前チェックリスト

  • お薬手帳または薬の写真を用意した
  • 胸痛時だけ使う薬や貼り薬も確認した
  • 降圧薬を自己判断で休薬していない
  • 前立腺の薬の商品名・成分名を確認した
  • 最近の血圧・脈拍を記録した
  • 立ちくらみ、失神、転倒歴をメモした
  • 他院・市販・個人輸入のED薬を申告する
  • ED薬服用後の胸痛時は硝酸薬を自己判断で使わないと理解した

よくある質問

アムロジピンを飲んでいるとED薬は使えませんか?

一律に使用禁止ではありませんが、降圧作用が重なる可能性があるため併用注意です。現在の血圧、用量、他の薬、立ちくらみの有無を医師が確認します。アムロジピンを自己判断で中止しないでください。

タムスロシンとタダラフィルは一緒に使えますか?

組み合わせが検討されることはありますが、誰にでも安全と断定できません。タダラフィルの電子添文には、健康成人18例で明らかな血圧への影響がなかった外国試験がある一方、α遮断薬全体は併用注意です。血圧、他の薬、開始時期を処方医へ伝えて判断を受けてください。

ED薬を使う日だけ血圧の薬を休めばよいですか?

休薬しないでください。血圧が上がり、心血管リスクを高める可能性があります。併用方法は処方医が判断します。

低血圧が心配なら半錠にしてよいですか?

自己判断で割ったり減量したりしないでください。製剤によって分割の可否が異なり、適切な開始用量も成分や患者背景で違います。

薬の名前が分からなくてもオンライン診療を受けられますか?

受診自体はできますが、安全な処方判断のため薬名確認が必要です。お薬手帳、薬袋、錠剤の包装、調剤薬局の記録を準備し、不明のまま服用を始めないでください。

ED薬を飲んだ後に胸痛が出たら?

性行為を中止し、強い胸痛、息苦しさ、冷や汗、失神がある場合は119番へ連絡します。ED薬の成分・用量・服用時刻を伝え、ニトログリセリンを自己判断で使わないでください。

まとめ

高血圧の治療中でも、ED治療薬を使用できる場合はあります。通常の降圧薬やα遮断薬は一律の禁忌ではありませんが、血圧低下が重なるため併用注意です。とくにα遮断薬は成分と治療の安定性を確認し、ED薬ごとの電子添文に沿って開始用量を医師が判断します。

一方、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの硝酸薬・NO供与薬とリオシグアトは併用禁忌です。薬を時間でずらす、降圧薬を休む、ED薬を半分にするなどの自己調整は避けてください。

安全確認の近道は、薬の分類を暗記することではなく、処方薬・頓服・貼り薬をすべて見せることです。お薬手帳と家庭血圧の記録を用意し、立ちくらみや胸痛があれば必ず伝えましょう。

参考文献・確認資料

  1. 医薬品医療機器総合機構(PMDA). バイアグラ錠25mg/50mg・ODフィルム25mg/50mg 電子添文. 2024年7月改訂。硝酸薬・リオシグアトの併用禁忌、降圧薬・α遮断薬との併用注意、シルデナフィルの開始用量を確認。
  2. 医薬品医療機器総合機構(PMDA). シアリス錠5mg/10mg/20mg 電子添文. 2026年5月改訂。硝酸薬・リオシグアトの併用禁忌、α遮断薬・降圧薬との併用注意、ドキサゾシン・タムスロシンとの外国試験を確認。
  3. 医薬品医療機器総合機構(PMDA). バルデナフィル錠5mg/10mg/20mg「FCI」電子添文. 2026年3月改訂。α遮断薬治療が安定していることの確認と5mg開始、併用禁忌を確認。
  4. European Association of Urology. Management of Erectile Dysfunction. PDE5阻害薬と降圧薬・α遮断薬の安全性、硝酸薬・ニコランジルの禁忌を確認。

医療情報・公式資料の確認日:2026年10月7日。

※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・処方・休薬を指示するものではありません。胸痛、失神、呼吸困難、強いめまいがある場合は、自己判断で追加服用せず、症状に応じて救急要請を含む医療対応を受けてください。

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