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デュタステリドは、男性型脱毛症(AGA)の進行を抑えるために使われる内服薬です。AGA治療を調べていると、「フィナステリドより作用が強い」「フィナステリドで変化が乏しければ切り替えたほうがよい」と説明されることがあります。
一部の比較試験では、デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgより毛髪数や毛の太さで優れた結果を示しました。しかし、すべての評価項目で大きな差が確認されたわけではありません。作用が広いことと、すべての人に適していることは別です。
治療を選ぶときは、発毛効果だけでなく、副作用、妊活、献血、PSA検査、併用薬、費用、長期的な続けやすさまで確認する必要があります。
この記事では、デュタステリドの効果、フィナステリドとの違い、0.1mgと0.5mgの考え方、効くまでの期間、副作用、妊活への影響、切り替え前に確認したい点を、公的資料と臨床研究をもとに整理します。
AGAの原因や治療全体を先に確認したい方は、AGAとは?原因・初期症状・治療法・費用を解説をご覧ください。
30秒でわかる結論
- デュタステリドは、男性AGAに対する国内承認薬です。
- 5α還元酵素のⅠ型とⅡ型を阻害し、AGAに関係するDHTを低下させます。
- 日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、男性AGAに対して推奨度Aです。
- 一部の比較試験では、デュタステリド0.5mgがフィナステリド1mgを上回る毛髪数の増加を示しました。
- ただし、見た目の差が大きいとは限らず、すべての人にデュタステリドが適するわけではありません。
- 効果判定には通常6か月程度が必要です。
- 性機能不全、乳房症状、抑うつ気分、肝機能障害などに注意します。
- 妊活中、献血予定、PSA検査予定がある場合は、開始前に医師へ伝える必要があります。
- フィナステリドとの自己判断による併用や、用量変更は避けてください。
- 深いM字や生え際の形を大きく変える希望は、薬だけでは実現しにくい場合があります。
デュタステリドとは
デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)へ変換する「5α還元酵素」を阻害する薬です。
日本では、先発医薬品のザガーロと、複数の後発医薬品が男性AGAの治療に使われています。ザガーロの効能・効果は「男性における男性型脱毛症」です。女性、小児、重度の肝機能障害がある人などには投与できません。また、20歳未満では安全性と有効性が確立されていません。
AGA以外の脱毛症に対する適応はありません。そのため、急に大量の髪が抜けた場合、円形に抜けた場合、頭皮に強い赤み・かゆみ・痛みがある場合は、AGAと決めつけてデュタステリドを始めるべきではありません。
AGAかどうか判断しにくい場合は、AGA診断・セルフチェックを参考にしつつ、最終的には医師の診察を受けてください。
デュタステリドは「髪を直接生やす薬」ではない
デュタステリドは、AGAの原因に関係するDHTを低下させ、毛包のミニチュア化を抑える方向に働きます。
ミニチュア化とは、毛の成長期が短くなり、太く長い毛へ育つ前に抜ける状態が繰り返されることです。治療によって毛包の状態が改善すれば、細く短くなっていた毛が太くなる可能性があります。
ただし、毛包がほとんど残っていない場所に、新しい毛包を作る薬ではありません。生まれつき高い生え際を下げたり、長期間毛が生えていない部分を希望どおりの形に埋めたりする効果は期待できません。
AGAでDHTが関係する仕組み
男性ホルモンの一つであるテストステロンは、5α還元酵素によってDHTへ変換されます。
DHTが毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体へ作用すると、毛の成長期を短くするシグナルが生じます。その影響を受けやすい毛包では、太い毛が徐々に細く短い毛へ変化し、生え際や前頭部、頭頂部を中心に薄毛が進みます。
すべての男性が同じようにAGAになるわけではありません。DHTの量だけでなく、毛包側の遺伝的な感受性、年齢、AGAが進行していた期間などが関係します。
そのため、「男性ホルモンが多い人ほど必ず薄毛になる」という説明は正確ではありません。
5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型がある
5α還元酵素には主にⅠ型とⅡ型があります。
フィナステリドは主としてⅡ型を阻害します。デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。この違いにより、デュタステリドは血清中と頭皮中のDHTをより広く低下させます。
ザガーロの添付文書では、デュタステリド0.1mgと0.5mgを6か月投与した際、DHTはそれぞれ血清中で65%、90%、頭皮中で40%、52%低下したとされています。
ただし、DHTの低下率と、本人が鏡で感じる変化は同じではありません。DHTを90%下げたから、髪の見た目も90%改善するという意味ではありません。
デュタステリドに期待できる効果
デュタステリドで期待される主な効果は、次の二つです。
- AGAの進行を抑える
- 細くなった毛の太さや毛髪数を改善する
AGAの進行を抑える
AGAは進行性です。治療をしなければ、生え際の後退や頭頂部の薄毛が時間とともに進む可能性があります。
デュタステリドによる治療効果は、「大量に髪が増えたか」だけで判断するものではありません。
- 抜け毛が減った
- 生え際の後退が止まった
- 頭頂部の透け感が悪化していない
- 毛が以前より太くなった
- 現在の状態を維持できている
といった変化も治療効果に含まれます。
治療しなかった場合にどこまで進んでいたかは確認できないため、見た目が大きく変わらなくても、進行を抑えられていることに意味がある場合があります。
毛髪数や毛の太さを改善する
毛包が残っている部分では、DHTの影響が弱まることで、細くなっていた毛が太くなる可能性があります。
効果の出方は、治療開始時のAGAの進行度によって異なります。比較的早い段階で治療を始めた人と、長期間薄毛が進行して毛包のミニチュア化が強い人では、同じ薬を使っても変化が異なります。
また、生え際と頭頂部でも実感が異なる場合があります。頭頂部は写真で変化を確認しやすい一方、生え際は数ミリ単位の位置や形が気になりやすく、薬で毛が太くなっても希望するデザインに届かないことがあります。
臨床試験ではどの程度の変化があった?
デュタステリドの効果を考えるうえで、代表的なのが917人の男性AGA患者を対象とした国際共同比較試験です。日本人200人も含まれていました。
参加者は、デュタステリド0.02mg、0.1mg、0.5mg、フィナステリド1mg、プラセボのいずれかを24週間服用しました。主な評価項目は、頭頂部に設定した直径2.54cmの円内における毛髪数の変化です。
| 投与群 | 24週時の毛髪数変化量 |
|---|---|
| プラセボ | −4.9本 |
| デュタステリド0.02mg | +17.1本 |
| デュタステリド0.1mg | +63.0本 |
| デュタステリド0.5mg | +89.6本 |
| フィナステリド1mg | +56.5本 |
デュタステリド0.1mgと0.5mgは、プラセボに対する優越性と、フィナステリド1mgに対する非劣性が確認されました。0.5mgは、この毛髪数評価でフィナステリド1mgより有意に大きな増加を示しました。
数字の読み方に注意
「89.6本増えた」という結果は、頭皮全体で89.6本しか増えなかったという意味ではありません。試験で設定された直径2.54cmの範囲を評価した数値です。また、平均値であり、すべての人に同じ変化が出るわけではありません。
フィナステリドとの差は、見た目でも大きいのか
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、この試験を慎重に評価しています。
全毛髪数と毛の直径ではデュタステリドが優れていましたが、直径60μm以上の硬毛数では有意差がありませんでした。治験担当医による写真評価でも両群に有意差はなく、エキスパートパネル評価ではデュタステリドが優れていたものの、点数差は頭頂部0.14、前頭部0.24と小さいものでした。
つまり、デュタステリドは一部の客観的な毛髪評価でフィナステリドを上回っていますが、すべての評価項目で明確に大きな差が出たわけではありません。
「デュタステリドならフィナステリドより必ず目に見えて生える」という説明は適切ではありません。
52週間の国内試験
日本人男性120人にデュタステリド0.5mgを52週間投与した試験では、52週時の頭頂部の一定範囲における毛髪数は、治療前から平均68.1本増加しました。
この試験は52週間の変化を確認できる点で参考になりますが、プラセボやフィナステリドとの無作為化比較ではありません。また、120人という限られた集団の結果です。
実際の診療環境での調査
PMDAの再審査報告書では、実際の診療環境でデュタステリドを使用した3,887例について、医師が「軽度増加」以上と評価した割合が67.5%でした。
365日以上投与された症例では、有効率は78.2%でした。
ただし、これは無作為化比較試験ではなく、医師による日常診療上の評価です。治療期間が長い人だけを抽出すると、効果を感じて継続できた人が多く残る可能性もあります。
この数字を「1年飲めば78.2%の人が必ず発毛する」と解釈するべきではありません。
0.1mgと0.5mgは何が違う?
国内の添付文書では、成人男性に通常0.1mgを1日1回投与し、必要に応じて0.5mgを1日1回投与するとされています。
0.5mgは0.1mgよりDHTを強く低下させ、前述の比較試験では毛髪数の増加も大きい結果でした。
| 比較項目 | 0.1mg | 0.5mg |
|---|---|---|
| 24週時の血清中DHT変化 | −83.6% | −90.9% |
| 6か月時の頭皮中DHT変化 | −40% | −52% |
| 24週時の毛髪数変化量 | +63.0本 | +89.6本 |
| 国内承認 | あり | あり |
ただし、この表だけを見て0.5mgを自己判断で選ぶべきではありません。
- AGAの進行度
- フィナステリドやデュタステリドの使用歴
- 副作用への不安
- 妊活の予定
- 肝機能
- 併用薬
- 年齢
- 治療目標
を確認し、医師が用量を判断します。
0.1mgを2錠飲む、0.5mgを割る、隔日で服用するなど、処方された方法を自己判断で変更しないでください。
「ZA」と「AV」の違い
デュタステリドの後発医薬品には、製品名に「ZA」または「AV」と付いているものがあります。
| 表示 | 主な承認用途 |
|---|---|
| ZA | 男性型脱毛症 |
| AV | 前立腺肥大症 |
有効成分はどちらもデュタステリドですが、承認された効能・効果が異なります。
AGA治療で処方を受ける場合は、薬袋や製品名に「ZA」と記載されていることがあります。名称が似ているため、他人に処方された薬や、前立腺肥大症用に処方された薬をAGA目的で使ってはいけません。
個人輸入品では、製造元、品質、含有量、承認用途を確認できないことがあります。医師の診察を受け、正規の流通経路で処方された薬を使用してください。
フィナステリドとデュタステリドの違い
どちらも5α還元酵素阻害薬で、男性AGAに対する国内承認があります。
| 比較項目 | フィナステリド | デュタステリド |
|---|---|---|
| 主に阻害する酵素 | Ⅱ型 | Ⅰ型・Ⅱ型 |
| 男性AGAへの国内承認 | あり | あり |
| 一般的な承認用量 | 0.2mgまたは1mg | 0.1mgまたは0.5mg |
| 効果判定 | 通常6か月程度 | 通常6か月程度 |
| 体内からの消失 | 比較的速い | 比較的遅い |
| 女性への投与 | 不可 | 不可 |
| 20歳未満 | 安全性・有効性未確立 | 安全性・有効性未確立 |
| 主な注意点 | 性機能、肝機能、妊娠関連など | 性機能、肝機能、妊活、献血、PSAなど |
フィナステリドの作用や副作用を詳しく確認したい方は、フィナステリドの効果は?実感までの期間・副作用を解説をご覧ください。
デュタステリドのほうが強い薬?
デュタステリドはⅠ型とⅡ型を阻害するため、フィナステリドよりDHTを強く低下させます。
その意味では「作用範囲が広い」といえます。しかし、AGA治療では、作用が広い薬を最初から最大用量で使えばよいとは限りません。
治療は数年単位で続ける可能性があります。短期間の毛髪数だけではなく、副作用への不安、妊活、費用、診療を継続できるかを含めて選ぶ必要があります。
作用が強い=すべての人に向いている、ではありません。
フィナステリドで十分に維持できる人もいれば、治療経過を見てデュタステリドを検討する人もいます。薬の強さを競うのではなく、治療目標に必要な薬を無理なく続けられるかで考えます。
最初からデュタステリドを選ぶべき?
すべての人が最初からデュタステリドを選ぶ必要はありません。
デュタステリドが候補になりやすいのは、次のような場合です。
- 男性AGAの診断が明確
- AGAの進行が比較的目立つ
- フィナステリドを一定期間使っても進行が続いている
- 副作用や妊活上の注意点を理解している
- 長期間の治療費を負担できる
- 定期的に写真や診察で評価できる
一方、副作用への不安が強い人、近く妊活を予定している人、献血を継続したい人などでは、フィナステリドを含めて別の方針を検討することがあります。
どちらを選ぶかは「M字だからデュタステリド」「若いからフィナステリド」という単純な基準では決まりません。
効果が出るまでの期間
添付文書では、投与開始後12週間で改善が認められる場合がある一方、治療効果を評価するためには通常6か月間の治療が必要とされています。
服用開始から1~2か月
DHTへの作用は始まっていますが、鏡で分かる変化がなくても不自然ではありません。
髪には成長期、退行期、休止期という毛周期があります。毛包への環境が変化しても、毛が太くなり、肉眼で分かる長さまで伸びるには時間が必要です。
1~2か月で「効かなかった」と判断し、自己判断で用量を増やしたり、別の薬を追加したりするのは避けてください。
3か月前後
抜け毛の減少や、髪の触り心地の変化を感じる人がいます。
ただし、照明や髪型による見え方の差も大きい時期です。毎日鏡を見ていると、変化が分かりにくいこともあります。
6か月前後
一度効果を評価する目安です。
- 治療前と同じ条件の写真
- 生え際の後退
- 頭頂部の透け感
- 毛の太さ
- 抜け毛
- 副作用
- 継続費用
を確認します。
6か月以上使用しても改善がみられない場合は、添付文書上も投薬中止を検討することとされています。継続する場合も、定期的に必要性を確認します。
12か月前後
6か月では変化が小さくても、12か月で評価しやすくなる場合があります。
ただし、長く飲めば飲むほど毛髪が増え続けるわけではありません。治療の目的が「増やす」から「維持する」へ変わることもあります。
効果を正しく評価する撮影方法
治療前後の変化を確認するには、写真の条件を揃えることが重要です。
撮影しておきたい角度
- 正面
- 左のM字
- 右のM字
- 生え際を上げた状態
- 頭頂部
- 斜め上から見た前頭部
条件を揃える
- 同じ場所
- 同じ照明
- 同じ距離
- 同じカメラ
- 乾いた髪
- 整髪料なし
- できるだけ同じ髪の長さ
- 月1回程度
毎日撮影すると、小さな変化や毛周期の揺らぎに振り回されやすくなります。月1回程度、同じ条件で記録するほうが比較しやすいでしょう。
写真だけでなく、抜け毛、副作用、服薬状況も記録すると、診察時に治療方針を相談しやすくなります。
フィナステリドから切り替える前に確認すること
フィナステリドを服用している人が、デュタステリドへの切り替えを検討することがあります。
ただし、3か月程度で髪が増えなかったという理由だけで変更するのは早い場合があります。
1. 十分な期間服用したか
一般にフィナステリドも通常6か月程度の経過を見て評価します。
服用期間が短い場合は、まだ効果判定ができていない可能性があります。
2. 正しく服用できていたか
飲み忘れが多かった、途中で何度も中断した、別の医療機関の薬と混在している場合は、薬そのものの効果を評価しにくくなります。
3. AGAの診断は正しいか
次のような場合は、AGA以外の脱毛症を考えます。
- 数週間で急に大量の毛が抜けた
- 円形またはまだらに抜けた
- 頭皮に赤み、強いかゆみ、痛みがある
- 眉毛や体毛も抜けた
- 発熱、手術、急激な減量の後に抜けた
- 頭部全体が均一に薄くなった
原因がAGAでなければ、デュタステリドへ変更しても適切な治療にならない可能性があります。
4. 治療目標が薬で達成できるか
フィナステリドで進行を抑えられていても、「生え際を2cm下げたい」「M字の角を完全に埋めたい」という希望は薬だけでは達成しにくいことがあります。
薬の効果不足ではなく、希望するゴールと薬の役割が合っていない可能性があります。
切り替えの判断フロー
| 現在の状態 | 次に確認すること |
|---|---|
| 服用6か月未満 | 服薬状況と評価時期を確認 |
| 6か月以上正しく服用しても進行 | 診断、写真、デュタステリドへの変更を相談 |
| 急な脱毛や頭皮症状がある | AGA以外の原因を評価 |
| 生え際の形を大きく変えたい | 自毛植毛も比較 |
| 副作用がある | 同系統薬への変更で解決するとは限らないため医師へ相談 |
フィナステリドで改善が乏しかった男性にデュタステリド0.5mgを投与し、改善を報告した小規模研究はあります。ただし、対象者数が少なく、すべての人に同じ結果が得られるとはいえません。
フィナステリドと併用しない
自己判断でフィナステリドとデュタステリドを併用するのは避けてください。
どちらも5α還元酵素阻害薬です。併用によるAGA治療効果と安全性が十分確立されているとはいえず、副作用が起きたときに原因も判断しにくくなります。
切り替え方法は処方医の指示に従ってください。
デュタステリドの副作用
デュタステリドでは、次のような副作用が記載されています。
- リビドー減退
- 勃起不全
- 射精障害
- 乳房の痛みや腫れ
- 女性化乳房
- 頭痛
- 抑うつ気分
- 発疹、かゆみ
- 腹部不快感
- 肝機能障害
- 黄疸
- 精巣痛、精巣腫脹
- 倦怠感
副作用を必要以上に恐れる必要はありませんが、「ほとんど副作用がない薬」と説明するのも適切ではありません。
比較的相談される症状
- 性欲が低下した
- 勃起しにくい
- 射精しにくい
- 精液量が変化した
- 乳房や乳頭に違和感がある
症状が続く場合は、恥ずかしがって放置せず、処方医へ相談してください。
早めに相談したい症状
- 気分の落ち込みが強い
- 乳房にしこりがある
- 乳頭から分泌がある
- 精巣の痛みや腫れがある
- 発疹、じんましん、顔の腫れがある
- 強い倦怠感や食欲不振がある
乳房のしこりや片側だけの変化は、薬の副作用以外の原因も含めて評価が必要です。
速やかな受診が必要な可能性がある症状
- 皮膚や白目が黄色い
- 尿が著しく濃い
- 顔や喉が腫れる
- 呼吸が苦しい
肝機能障害、黄疸、血管性浮腫などの可能性があります。服用を続けてよいか、速やかに医療機関へ確認してください。
性機能に関する副作用の頻度
917人を対象とした国際共同試験では、デュタステリド群全体の主な副作用として、勃起不全4.3%、リビドー減退3.9%、精液量減少1.3%が報告されました。
日本人男性120人に0.5mgを52週間投与した試験では、勃起不全10.8%、リビドー減退8.3%、射精障害4.2%でした。
試験によって副作用率が異なるのは、対象者数、観察期間、質問方法、用量などが異なるためです。
PMDAの使用成績調査では、4,320例中、性機能不全に関する副作用は27例、0.6%でした。日常診療の調査では、患者が申告しなかった症状や記録されなかった症状が含まれない可能性があるため、臨床試験と単純には比較できません。
副作用率を一つの数字に決めない
臨床試験では数%から10%前後、実際の使用成績調査ではより低い割合が報告されています。自分に起こるかどうかを数字だけで予測することはできません。
添付文書では、性機能不全について、投与中止後も持続したとの報告があると記載されています。症状が出た場合は、自己判断で薬を追加したり、別の医療機関からED治療薬を入手したりする前に、処方医へ相談してください。
抑うつ気分への注意
添付文書には、1%未満の副作用として抑うつ気分が記載されています。
薄毛そのものが心理的な負担になることもあるため、気分の変化が薬だけで起きたと判断するのは簡単ではありません。
服用開始後に強い気分の落ち込み、意欲低下、不眠などが続く場合は、処方医へ相談してください。もともと精神科や心療内科へ通院している人は、治療開始前にそのことを伝えましょう。
肝機能障害と血液検査
デュタステリドの重大な副作用として、肝機能障害と黄疸が記載されています。
デュタステリドは主に肝臓で代謝されます。重度の肝機能障害がある人には投与できません。軽度から中等度の肝機能障害がある人でも、血中濃度が上昇する可能性を考慮します。
すべての健康な人に一律で頻回の血液検査が必要と決められているわけではありません。ただし、次に当てはまる場合は、治療前の検査や定期確認について医師へ相談してください。
- 肝疾患を指摘されたことがある
- 健康診断でAST、ALT、γ-GTPが高い
- 飲酒量が多い
- 複数の薬を服用している
- 過去に薬剤性肝障害を起こした
- 強い倦怠感や食欲不振がある
初期脱毛は起こる?
AGA治療を始めた後に抜け毛が増え、「初期脱毛ではないか」と不安になる人がいます。
デュタステリド単独による初期脱毛については、発生率や時期が十分に確立されているとはいえません。
服用後に抜け毛が増えても、それだけで「薬が効いている証拠」と判断しないでください。
考えられる原因には、次のものがあります。
- AGA自体の進行
- 毛周期による一時的な変動
- ミノキシジル併用による脱毛
- 休止期脱毛
- 円形脱毛症
- 脂漏性皮膚炎
- 急激な減量
- 発熱や感染症
- ストレス
- 甲状腺疾患や貧血
急に大量に抜けた、円形に抜けた、頭皮症状がある場合は、「好転反応」と考えて受診を遅らせないでください。
妊活と精子への影響
妊活中の男性にとって、精液特性への影響は重要な確認事項です。
添付文書には、健康成人男性にデュタステリド0.5mgを52週間投与した試験が記載されています。
52週時点で、プラセボと比較して調整した平均減少率は次のとおりでした。
| 評価項目 | 平均減少率 |
|---|---|
| 総精子数 | 23% |
| 精液量 | 26% |
| 精子運動率 | 18% |
精子濃度と精子形態への影響は認められませんでした。各精液パラメータの平均値は正常範囲内で、事前に設定された臨床的に重要な変動である30%には達していません。
一方、デュタステリド群の2人では、投与前より精子数が90%を超えて減少し、24週間の追跡時に軽快しました。
添付文書は、個々の患者の受胎能にどのような臨床的意味を持つかは不明としています。
全員が不妊になるわけではない
この試験から、デュタステリドを服用した男性が全員不妊になるとはいえません。
一方で、妊活への影響が全くないとも断定できません。
次に当てはまる場合は、開始前に処方医へ相談してください。
- 不妊治療中
- 精液検査で異常を指摘されている
- 妊娠までの期間を急いでいる
- 精索静脈瘤などの既往がある
- パートナーの年齢や治療計画から時間的余裕が少ない
- 以前から精液量の減少が気になっている
必要に応じて、泌尿器科や生殖医療の医師へ相談する選択肢があります。
妊活のために何か月休薬する?
一律に「妊活の何か月前から休薬すべき」とする統一基準はありません。
デュタステリドは体内からの消失が遅い薬です。0.5mgを24週間反復投与した試験では、最終投与後20週で血清中濃度が定量下限未満となりました。
ただし、血中濃度が低下するまでの期間と、精液所見や受胎能への影響が完全に一致するとは限りません。
インターネット上には「3か月前」「6か月前」といった情報がありますが、すべての人に当てはまる統一的な休薬期間ではありません。自己判断で期間を決めず、処方医と、必要に応じて生殖医療の担当医へ確認してください。
女性や子どもが触れると危険?
デュタステリドは女性と小児には投与できません。
妊娠中の女性が薬剤へ曝露すると、DHTの低下によって男子胎児の外性器の発達へ影響する可能性があります。
また、デュタステリドは経皮吸収されるため、女性や子どもは、カプセルから漏れた内容物へ触れないよう注意が必要です。漏れた薬剤に触れた場合は、直ちに石鹸と水で洗います。
通常の状態のカプセルを同じ家に保管するだけで直ちに危険になるわけではありません。次の点を守ってください。
- カプセルを開けない
- 噛まない
- つぶさない
- PTPシートのまま保存する
- 子どもの手が届かない場所へ保管する
- 漏れたカプセルを女性や子どもが触らない
服用中は献血できない
デュタステリドを服用している間は献血できません。
日本赤十字社の血液センターでは、デュタステリド、ザガーロなどは、服用中止後6か月間は献血不可と案内されています。
フィナステリドは服用中止後1か月間とされており、期間が異なります。
献血の問診では、薬の名称と服用中止日を正確に伝えてください。服用を申告せずに献血することは避けましょう。
PSA検査への影響
PSAは、前立腺癌などの評価に使われる血液検査です。
デュタステリドはPSA値を低下させるため、健康診断や泌尿器科でPSA検査を受ける際は、服用中であることを必ず伝えてください。
添付文書では、前立腺肥大症患者に0.5mgを投与した場合、6か月後にPSA値を約50%低下させるとされています。6か月以上投与している患者では、測定値を2倍した値を目安に基準値と比較するよう記載されています。
ただし、患者自身がPSA値を単純に2倍し、「正常だから問題ない」と判断するものではありません。
- デュタステリドを服用していること
- いつから服用しているか
- 用量
- 飲み忘れや中断の有無
を検査担当医へ伝え、医師が経過を含めて評価します。
服用中にPSA値が持続的に上昇する場合は、前立腺癌や服薬状況を含めて確認が必要です。
併用薬で注意すること
デュタステリドは主としてCYP3A4とCYP3A5で代謝されます。
添付文書では、リトナビルなどCYP3A4阻害作用を持つ薬との併用により、デュタステリドの血中濃度が上昇する可能性があるとされています。
すべての薬が問題になるわけではありませんが、診察時には次を伝えてください。
- 現在服用している処方薬
- 市販薬
- サプリメント
- HIV治療薬
- 抗真菌薬
- 心臓や血圧の薬
- 肝臓の病気
- 過去の薬物アレルギー
複数のAGAクリニックを利用すると、同じ成分や同系統薬が重複する可能性があります。フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなどを別々の医療機関から処方されている場合は、すべての薬を申告してください。
ミノキシジルと併用できる?
デュタステリドとミノキシジルは作用が異なるため、医師の判断で併用されることがあります。
デュタステリドは、DHTを低下させてAGAの進行を抑える方向に働きます。ミノキシジル外用薬は、発毛を促す目的で使われます。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、男性AGAに対する5%ミノキシジル外用も推奨度Aです。
ただし、ミノキシジルの外用薬と内服薬は分けて考える必要があります。
ミノキシジル内服は、国内でAGA治療薬として承認されていません。オンライン診療や発毛プランにミノキシジル内服が含まれている場合は、次を確認してください。
- 国内未承認であること
- 想定される副作用
- むくみ、動悸、血圧変化が出たときの連絡先
- 持病や併用薬
- 誰が経過を管理するか
治療薬を増やせば増やすほどよいわけではありません。副作用が起きたときに原因を判断できるよう、医師の管理下で治療してください。
AGA治療薬全体の違いは、AGA治療薬の種類・効果・副作用でも確認できます。
食前・食後はどちら?
添付文書では、食事による薬物動態の変化は臨床上影響を与えるものではないとされています。
食前・食後に強くこだわるより、処方された用法に従い、毎日継続しやすい時間に服用することが大切です。
カプセルは噛んだり開けたりせず、そのまま服用してください。
飲み忘れたらどうする?
自己判断で2回分をまとめて服用しないでください。
飲み忘れた時間や次の服用時間によって対応が異なる場合があるため、処方時の説明や薬剤師の指示に従ってください。
デュタステリドは体内からの消失が遅い薬ですが、だからといって自己判断で隔日服用へ変更してよいわけではありません。
デュタステリドは体内に長く残る
デュタステリドの特徴の一つが、体内からの消失が比較的遅いことです。
前立腺肥大症患者に0.5mgを6か月投与した際、定常状態における半減期は平均3.4週間でした。
男性AGA患者に24週間反復投与した試験では、最終投与後、0.1mg群は12週、0.5mg群は20週で血清中濃度が定量下限未満となりました。
これは、1回飲み忘れただけで作用が直ちに完全消失する薬ではない一方、副作用が起きた場合にも、中止した翌日に薬が体内からなくなるわけではないことを意味します。
妊活、献血、副作用への不安がある場合は、治療開始前に相談しておくことが重要です。
デュタステリドをやめるとどうなる?
デュタステリドは、AGAを永久に治す薬ではありません。
服用中はDHTを低下させますが、中止して作用が弱くなると、AGAの進行が再び目立ってくる可能性があります。
時間の経過とともに、次の変化が起こることがあります。
- 抜け毛が再び増える
- 毛が細くなる
- 生え際の後退が進む
- 頭頂部の透け感が増える
- 治療で得られた改善が失われる
デュタステリドは体内からの消失が遅いため、中止直後にすべての効果がなくなるわけではありません。
中止理由が副作用の場合は、自己判断で様子を見続けず処方医へ相談してください。費用や通院負担が理由であれば、後発医薬品、フィナステリド、オンライン診療などを比較できます。
AGA治療の継続で後悔しないための考え方は、AGA治療はやめたほうがいい?後悔しないための完全ガイドでも解説しています。
生え際やM字にも効果がある?
デュタステリドは、生え際やM字のAGAにも使用されます。
毛包が残っていれば、細くなった毛が太くなる可能性があります。ただし、生え際は治療後の変化を実感しにくいことがあります。
- 長期間ミニチュア化が進んでいる
- 産毛しか残っていない
- 生まれつき額が広い
- 希望する生え際が現在より大幅に低い
- 毛流や左右差のデザインが必要
といった場合は、薬だけで希望どおりにならない可能性があります。
薬は既存毛を維持・改善する治療です。自毛植毛は、後頭部などの毛包を薄い部分へ移動させ、生え際の位置や形を整える外科的治療です。役割が異なります。
深いM字や生え際の形を大きく変えたい方は、自毛植毛とは?仕組み・費用・経過・デメリットと、M字の自毛植毛費用・必要グラフト数も比較してください。
デュタステリドの費用
デュタステリドによるAGA治療は、原則として自由診療です。ザガーロは薬価基準に収載されておらず、保険給付の対象ではありません。
費用は次の条件で変わります。
- 先発医薬品か後発医薬品か
- 0.1mgか0.5mgか
- 診察料
- 再診料
- 血液検査料
- 送料
- 定期配送
- まとめて処方する期間
- 解約や休止の条件
初月料金だけで判断せず、1年間にかかる総額を確認してください。
1年総額の確認方法
初月料金+2か月目以降の薬代+診察料+送料+検査料
「月額○円」と表示されていても、初月限定、長期契約、送料別、フィナステリドのみの価格など、条件が付く場合があります。
AGAクリニックを費用と診療形式で比較する場合は、AGAクリニック比較|オンライン・対面・1年総額で選ぶと、オンラインAGAの料金比較をご覧ください。
オンライン診療と対面診療の違い
デュタステリドは、オンライン診療でも処方されることがあります。
| オンライン診療が合いやすい人 | 対面診療を検討したい人 |
|---|---|
| 典型的なAGAの進行パターン | 急に抜け毛が増えた |
| 頭皮の強い症状がない | 円形やまだらに抜けた |
| 継続処方が中心 | 頭皮に赤み、痛み、強いかゆみがある |
| 通院時間を減らしたい | 肝機能や併用薬に不安がある |
| 副作用時の相談方法が明確 | 妊活や精液所見を相談したい |
| 料金と配送条件を理解できる | 生え際や頭皮を直接見てほしい |
| 自毛植毛も同時に相談したい |
オンラインだから危険、対面だから安全と単純には決められません。
次の点を確認してください。
- 医師の診察がある
- 処方される薬剤名と用量が明確
- 国内承認薬か確認できる
- ミノキシジル内服など未承認薬の説明がある
- 副作用時の連絡方法がある
- 休薬や変更を相談できる
- 定期配送の解約条件が明確
- 必要に応じて対面受診を案内している
デュタステリドが向いている可能性がある人
次のような人では、医師と相談したうえで候補になります。
- 男性AGAと診断されている
- AGAの進行を抑えたい
- フィナステリドを一定期間使用しても進行が続いている
- 効果と副作用の両方を理解している
- 妊活や献血の予定を事前に相談できる
- 定期的に写真や診察で評価できる
- 長期的な治療費を確認している
使用できない人・慎重に検討したい人
使用できない人
- 女性
- 小児
- 重度の肝機能障害がある人
- デュタステリドや他の5α還元酵素阻害薬で過敏症を起こしたことがある人
自己判断で開始せず、特に相談したい人
- 20歳未満
- 妊活中または不妊治療中
- 精液検査で異常を指摘された
- 肝機能異常がある
- 抑うつ症状の治療中
- 性機能への不安が強い
- 併用薬が多い
- PSA検査を受ける予定がある
- 献血を継続したい
- 急な脱毛や頭皮症状がある
個人輸入を避けたほうがよい理由
海外サイトなどからデュタステリドを個人輸入できる場合があります。
しかし、個人輸入薬には次の問題があります。
- 成分が表示どおりか確認しにくい
- 含有量が正しいか分からない
- 不純物や偽造薬の可能性
- 保管・輸送状態が不明
- ZAとAV、承認用途を確認しにくい
- 併用薬や禁忌の確認がない
- 副作用時の相談先がない
- AGA以外の脱毛症を見逃す
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性
安さだけで個人輸入を選ぶのはおすすめできません。薬代だけではなく、診断、薬の品質、副作用時の対応まで含めて考えてください。
クリニックを選ぶ前のチェックリスト
デュタステリドの処方を相談するときは、次の項目を確認すると判断しやすくなります。
- 自分の薄毛はAGAと考えてよいか
- デュタステリドを選ぶ理由
- 0.1mgと0.5mgのどちらか
- フィナステリドから変更する必要があるか
- 処方薬はZA製剤か
- 先発品か後発品か
- 効果はいつ評価するか
- 治療前の写真を残すか
- 副作用時の連絡方法
- 肝機能検査が必要か
- 妊活中の扱い
- 献血予定がある場合の対応
- PSA検査時の注意
- ミノキシジルを併用するか
- ミノキシジル内服が含まれるか
- 1年間の総額
- 送料や検査料
- 定期配送の解約期限
- 6か月で効果が乏しい場合の方針
- 生え際の希望が薬で達成可能か
デュタステリドについて相談できるAGA診療
ここからはPRを含みます。掲載は、特定の治療効果や優劣を示すものではありません。デュタステリドの処方可否、用量、料金は診察結果や時期によって変わるため、公式サイトと診察時に確認してください。
通院せずに相談したい場合
レバクリはオンラインAGA診療に対応しています。通院時間を減らしたい人は候補になります。薬代だけでなく、送料、定期配送、解約条件、副作用時の相談方法を確認してください。
対面とオンラインを比較したい場合
銀座総合美容クリニックは、対面診療とオンライン診療に対応しています。頭皮を直接確認してもらうか、オンラインで継続するかを相談したい人は候補になります。
対面で治療内容を相談したい場合
AGAスキンクリニックは、対面で頭皮や治療内容を相談したい人の候補です。デュタステリド単剤だけでなく、提案される治療薬、未承認医薬品等の有無、1年総額を確認してください。
比較ページでは、オンライン・対面、薬の内容、年間費用をまとめて確認できます。AGAクリニック比較を見る
デュタステリドのエビデンスをどう読むか
日本皮膚科学会の2017年版診療ガイドラインでは、男性AGAに対するデュタステリド内服は推奨度Aで、「行うよう強く勧める」とされています。一方、女性型脱毛症には推奨度Dです。
臨床試験から、次のことが分かっています。
- プラセボより毛髪数を増加させた
- 一部の評価でフィナステリドを上回った
- 0.5mgは0.1mgよりDHTを強く低下させた
- 効果評価には通常6か月程度必要
- 52週間の国内試験でも改善が確認された
- 性機能を含む副作用が起こる可能性がある
一方、次のことは十分には分かっていません。
- 個々の患者で見た目がどの程度変わるか
- すべての男性でフィナステリドより優れるか
- 10年、20年単位での最適な服用方法
- 中止後にどの速度で毛髪状態が戻るか
- 妊活中の個人の受胎能へどの程度影響するか
- 深いM字や生え際のデザインをどこまで改善できるか
エビデンスがあることと、すべての人の結果を予測できることは別です。
医療情報レビュー担当者より
デュタステリドは、「フィナステリドより効くか」という比較だけが注目されがちです。
実際に確認したいのは、現在の薄毛がAGAであるか、どの程度進行しているか、6か月後に何を基準に効果を判断するかです。
生え際の形を大きく変えたい人と、今の状態を維持したい人では、同じ薬を使っても満足度が異なります。薬の強さだけで決めず、治療目標を先に整理することが大切です。
まとめ
デュタステリドは、男性AGAに対する国内承認薬です。
5α還元酵素のⅠ型とⅡ型を阻害し、AGAに関係するDHTを低下させます。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも、男性AGAに対して推奨度Aです。
一部の比較試験では、デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgより毛髪数や毛の太さで優れた結果を示しました。
ただし、次の点に注意が必要です。
- すべての人に同じ効果が出るわけではない
- 効果判定には通常6か月程度必要
- 性機能不全などの副作用がある
- 妊活や精液特性への影響を確認する
- 服用中と中止後6か月は献血できない
- PSA検査に影響する
- 女性、小児、重度の肝機能障害がある人は使用できない
- 体内からの消失が遅い
- 生え際の形は薬だけで希望どおりにならない場合がある
「フィナステリドより強いから」という理由だけで選ぶのではなく、AGAの状態、治療目標、副作用、妊活、費用、診療方法、長期継続のしやすさを含めて医師と相談してください。
AGA治療全体を比較したい方は、AGAクリニック比較|オンライン・対面・1年総額で選ぶをご覧ください。
よくある質問
デュタステリドは本当に効果がありますか?
男性AGAに対し、プラセボより毛髪数を増やすことが臨床試験で確認されています。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも男性AGAに推奨度Aです。ただし、効果には個人差があり、発毛や見た目の改善を保証するものではありません。
何か月で効果を評価しますか?
12週間程度で改善がみられる人もいますが、添付文書では通常6か月間の治療が必要とされています。1~2か月で見た目が変わらなくても、すぐに無効とは判断できません。
フィナステリドより効果が高いですか?
一部の比較試験では、デュタステリド0.5mgが毛髪数や毛の太さでフィナステリド1mgを上回りました。ただし、硬毛数や治験担当医による写真評価など、有意差がなかった項目もあります。すべての人が大きな差を実感するとは限りません。
0.1mgと0.5mgは何が違いますか?
0.5mgは0.1mgよりDHTを強く低下させ、比較試験では毛髪数の増加も大きい結果でした。ただし、0.5mgがすべての人に適するわけではありません。用量は治療経過や副作用を踏まえて医師が判断します。
ZAとAVは何が違いますか?
ZAは男性型脱毛症、AVは前立腺肥大症の承認用途を示す製品名の表示です。成分は同じデュタステリドですが、承認された効能・効果が異なります。AGA治療では、医師から処方されたZA製剤を使用してください。
フィナステリドから切り替えるべきですか?
フィナステリドを十分な期間、正しく服用してもAGAが進行する場合は、デュタステリドへの変更が候補になります。ただし、服用期間、診断、治療目標を確認してから判断します。
フィナステリドと併用できますか?
自己判断で併用しないでください。どちらも5α還元酵素阻害薬です。併用による効果と安全性が十分確立されているとはいえません。
主な副作用は何ですか?
性欲低下、勃起不全、射精障害、乳房症状、頭痛、抑うつ気分、肝機能障害などが記載されています。症状がある場合は処方医へ相談してください。
副作用は中止後も続きますか?
添付文書では、性機能不全について投与中止後も持続したとの報告があると記載されています。すべての人で持続するわけではありませんが、症状がある場合は医師へ相談してください。
妊活中でも服用できますか?
すべての男性が服用できないわけではありませんが、精子数、精液量、精子運動率へ影響する可能性があります。不妊治療中や精液所見に不安がある人は開始前に相談してください。
服用中に献血できますか?
できません。日本赤十字社の血液センターでは、デュタステリドは服用中止後6か月間も献血不可と案内されています。
PSA検査への影響はありますか?
PSA値を低下させるため、検査担当医へ服用中であることを伝える必要があります。患者自身で数値を補正して自己判断せず、医師に評価してもらってください。
女性がカプセルに触れても大丈夫ですか?
通常の状態のカプセルを保管するだけで直ちに危険になるわけではありません。ただし、女性や子どもは、カプセルから漏れた内容物に触れないでください。触れた場合は直ちに石鹸と水で洗います。
初期脱毛は起こりますか?
デュタステリド単独による初期脱毛の発生率や時期は十分確立されていません。抜け毛が増えても「効いている証拠」と決めつけず、急な脱毛や頭皮症状があれば受診してください。
やめると元に戻りますか?
中止すると、時間の経過とともにAGAの進行が再び目立ち、治療で維持していた効果が失われる可能性があります。中止や変更は医師と相談してください。
M字や生え際にも効果がありますか?
毛包が残っていれば毛が太くなる可能性があります。ただし、深いM字や生まれつき高い生え際を希望する形へ変更することは、薬だけでは難しい場合があります。
参考資料
- PMDA「ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書」2025年8月改訂
- PMDA「ザガーロカプセル 再審査報告書」
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- Gubelin Harcha W, et al. A randomized, active- and placebo-controlled study of dutasteride versus finasteride. J Am Acad Dermatol. 2014.
- Tsunemi Y, et al. Long-term safety and efficacy of dutasteride in Japanese male patients with androgenetic alopecia. J Dermatol. 2016.
- Zhou Z, et al. The efficacy and safety of dutasteride compared with finasteride: a systematic review and meta-analysis. Clin Interv Aging. 2019.
- Amory JK, et al. The effect of dutasteride and finasteride on semen parameters and serum hormones. J Clin Endocrinol Metab. 2007.
- 日本赤十字社 血液センター「献血いただく前にご確認ください」
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