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AGA治療で使われるフィナステリドは、一般的には1日1回服用する錠剤です。
一方、一部のAGAクリニックでは、フィナステリドを頭皮へ直接塗るスプレーやローションも扱われています。
内服薬に抵抗がある人にとっては、塗り薬の方が始めやすく感じられるかもしれません。薄毛が気になる場所へ直接使用できるため、内服より局所的に作用し、副作用も少ないのではないかと考える人もいるでしょう。
実際、外用フィナステリドには、男性AGA患者を対象とした第III相試験があります。24週間の試験では、プラセボより毛髪数が増え、内服フィナステリドに近い数値を示しました。血液中へ移行したフィナステリドの量も、内服より大幅に少ない結果でした。[1]
ただし、血液中へ移行する量が少ないことと、全身への影響がないことは同じではありません。
外用フィナステリドでも血清DHTは低下します。また、臨床試験で使用された製剤と、国内のAGAクリニックが独自に輸入・調剤しているスプレーは、濃度、塗布量、基剤、使用回数が異なります。
そのため、臨床試験で効果が確認されたという理由だけで、すべての外用フィナステリド製品に同じ効果と安全性があるとはいえません。
この記事の結論
外用フィナステリドには、男性AGAに対する有効性を支持する比較的質の高い臨床試験があります。
内服より全身への薬剤曝露を抑えられる可能性があり、内服への抵抗が強い人にとっては検討する価値のある選択肢です。
一方、外用でも全身へ吸収され、血清DHTは低下します。内服と同じ効果や、内服より高い安全性が確立しているわけではありません。
本記事は一般的な医療情報を提供するものです。日本でAGA治療薬として承認されているフィナステリド製剤は錠剤であり、外用フィナステリドは国内未承認です。自己判断での個人輸入や自作は避け、医師から製剤の成分、濃度、使用量、入手経路について説明を受けてください。
外用フィナステリドとは
外用フィナステリドは、フィナステリドを配合したスプレーやローションを頭皮へ塗布するAGA治療です。
フィナステリドには、5α還元酵素II型の働きを阻害する作用があります。
5α還元酵素は、男性ホルモンのテストステロンをDHTへ変換する酵素です。DHTがAGAの影響を受けやすい毛包へ作用すると、毛の成長期が短くなり、太く長く成長する前に抜けやすくなります。
フィナステリドはDHTの生成を抑えることで、AGAによる毛包の小型化と薄毛の進行を抑えます。
内服フィナステリドは、錠剤を服用し、血液を通じて全身から作用します。
外用フィナステリドは、薄毛が気になる頭皮へ直接塗布し、頭皮のDHTを抑えながら、血液中へ移行する薬の量を少なくすることを目的に開発されました。[1]
外用フィナステリドは本当に効く?
現時点では、男性AGAに対する有効性を示した第III相試験が複数あると評価できます。
外用フィナステリドは、根拠のない民間療法ではありません。
一方、内服フィナステリドと比べると、使用実績や長期データはまだ限られています。
特に注意したいのは、研究で使われた製剤と、実際に国内クリニックで処方される製剤が同じとは限らないことです。
外用薬の効果と吸収量は、フィナステリドの濃度だけで決まりません。
- 1回に塗る液量
- 1日に使用する回数
- 塗布する面積
- スプレー1回当たりの噴霧量
- アルコールなどの基剤
- 頭皮への浸透性
- ミノキシジルの配合
- 頭皮の炎症や傷
などによって変わる可能性があります。
458人を対象とした欧州の第III相試験
外用フィナステリドの有効性を考えるうえで、最も重要な研究の一つが、欧州45施設で行われた第III相試験です。
成人男性AGA患者458人が、次の治療へ無作為に割り付けられました。
- 外用フィナステリド0.25%スプレー
- 有効成分を含まない外用薬
- 内服フィナステリド1mg
治療期間は24週間です。
24週後、評価部位の毛髪数は、外用フィナステリド群で平均20.2本増え、プラセボ群では平均6.7本増えました。外用フィナステリドは、プラセボを統計学的に有意に上回りました。[1]
内服フィナステリド群の毛髪数の変化は、外用群と数値上は近い結果でした。
ただし、この試験から「外用は内服と同じ効果」と結論づけることはできません。
この研究は、外用が内服に劣らないことを証明する非劣性試験として設計されたものではないからです。
また、458人が試験へ参加したものの、24週間の試験を完了したのは323人でした。長期継続した場合の効果や安全性については、この試験だけでは判断できません。
この試験から分かること
- 外用フィナステリドはプラセボより毛髪数を増やした
- 12週からプラセボとの差が確認された
- 24週時点では内服に近い毛髪数の変化を示した
- 血液中へ移行したフィナステリドは内服より大幅に少なかった
- 24週間では、治療関連の重篤な有害事象は報告されなかった
この試験だけでは分からないこと
- 外用が内服と同等か
- 1年以上使用した場合の効果
- 長期的な性機能や気分への影響
- 内服から外用へ切り替えた後も同じ効果を維持できるか
- 国内クリニックの独自製剤にも同じ結果が当てはまるか
- 生え際と頭頂部のどちらに適しているか
中国人男性270人を対象とした第III相試験
中国16施設で行われた別の第III相試験では、男性AGA患者270人が外用フィナステリドスプレーまたはプラセボを1日1回、24週間使用しました。
24週後、外用フィナステリド群では、評価部位の毛髪数と硬毛数がプラセボ群より有意に増加しました。
医師が頭頂部の写真を評価した結果でも、外用フィナステリド群の方が良好でした。270人のうち251人が試験を完了し、24週間の範囲ではおおむね良好な忍容性が報告されています。[2]
この研究は、中国人男性でも外用フィナステリドの有効性が示された点で重要です。
一方、内服フィナステリドとの比較群はなく、治療期間も24週間です。
外用フィナステリドには複数の第III相試験がありますが、長期的な根拠は内服ほど蓄積していません。
外用は内服より体内へ入りにくい?
458人を対象とした第III相試験では、外用フィナステリド群の最高血中濃度は、内服群の100分の1未満でした。
血清DHTの平均低下率は、外用群で34.5%、内服群で55.6%でした。[1]
この結果は、外用製剤によって全身へのフィナステリド曝露を抑えられる可能性を示しています。
ただし、外用群でも血清DHTは約3分の1低下しています。
つまり、外用フィナステリドは、頭皮だけに作用して全身には影響しない薬ではありません。
外用フィナステリドの正確な位置づけ
「全身へ吸収されない治療」ではなく、
「内服より全身への曝露を少なくできる可能性がある治療」です。
同じ0.25%でも、塗る量によって全身への影響は変わる
外用フィナステリドでは、濃度だけでなく、実際に頭皮へ塗布する液量が重要です。
24人を対象とした初期の薬物動態試験では、0.25%外用液を1日2回使用したところ、血中フィナステリド濃度は内服より低かったものの、血清DHTは外用で約68~75%、内服で約62~72%低下しました。[3]
つまり、外用であっても、使用量が多ければ血清DHTが内服と同程度まで低下することがあります。
別の用量試験では、0.25%外用液を1日1回、100~200μL使用した場合、頭皮DHTを約47~52%低下させながら、血清DHTの低下は約24~26%に抑えられました。
一方、300~400μL使用した場合は、血清DHTが約44~48%低下しました。[4]
これらの研究から分かるのは、次の点です。
- 同じ濃度でも塗布量によって全身への影響が変わる
- 濃度だけを見ても、安全性は判断できない
- 使用量を自己判断で増やすべきではない
- クリニック製剤は1日当たりの総投与量まで確認する必要がある
外用フィナステリドと内服の違い
ここまでの内容を整理すると、外用と内服には次の違いがあります。
| 比較項目 | 外用フィナステリド | 内服フィナステリド |
|---|---|---|
| 使用方法 | 頭皮へ塗布 | 錠剤を服用 |
| 日本での承認 | AGA目的では未承認 | 成人男性AGAに承認 |
| 臨床試験 | 24週間の第III相試験あり | 長期を含む多数の試験あり |
| 血中への移行 | 内服より少ない製剤がある | 外用より多い |
| 血清DHT | 低下する | より大きく低下する傾向 |
| 主な負担 | 毎日の塗布、乾燥、べたつき | 毎日の服用 |
| 局所副作用 | 赤み、かゆみ、乾燥など | 基本的にない |
| 全身性副作用 | 起こる可能性がある | 起こる可能性がある |
| 製品間の差 | 濃度・基剤・塗布量の差が大きい | 用量が比較的統一されている |
日本皮膚科学会の2017年版ガイドラインでは、成人男性AGAに対するフィナステリド内服は推奨度Aです。
一方、外用フィナステリドは独立した治療として評価されていません。外用フィナステリドの主要な第III相試験は、ガイドライン発行後に公表されています。[7]
詳しくは、フィナステリド内服の効果・副作用でも解説しています。
内服フィナステリドの代わりになる?
外用フィナステリドは、内服の代替候補になる可能性があります。
ただし、誰にとっても内服と同じように使えるとは限りません。
外用の第III相試験では、内服に近い毛髪数の変化を示しましたが、同等性が証明されたわけではありません。
また、内服フィナステリドには次の利点があります。
- 日本で成人男性AGAに承認されている
- 日本人男性を含む長期データがある
- 1日1回の服用で続けやすい
- 製品ごとの用量差が小さい
- 日本皮膚科学会ガイドラインで強く推奨されている
外用フィナステリドには、次の利点が期待されます。
- 血中フィナステリド濃度を抑えられる可能性がある
- 内服への心理的な抵抗が強い人も検討しやすい
- ミノキシジルと一つの外用剤に配合できる
- 薄毛部分へ直接使用できる
一方で、外用には次の限界があります。
- 日本では未承認
- 長期的なデータが少ない
- 製品ごとの差が大きい
- 毎日の塗布が必要
- 頭皮炎を起こすことがある
- 全身性の副作用がゼロではない
- 内服より確実に安全とは断定できない
ミノキシジルとの配合剤は有効?
国内のAGAクリニックで扱われている外用フィナステリドは、ミノキシジルとの配合剤であることが多くあります。
両者は異なる役割を持っています。
フィナステリドはDHTの生成を抑え、AGAの進行を抑制します。
ミノキシジルは毛包へ作用し、発毛を促します。
異なる作用を持つ2成分を組み合わせるため、配合には一定の合理性があります。
40人を対象とした24週間の試験
男性AGA患者40人を対象に、次の2つが比較されました。
- 外用フィナステリド0.25%+ミノキシジル3%
- ミノキシジル3%のみ
24週後、フィナステリド配合群は、毛髪密度、毛の太さ、写真評価でミノキシジル単独群より良好でした。
この試験では、配合群の血漿DHT低下は約5%でした。[5]
42人を対象とした3群比較
別の小規模試験では、男性42人が次の3群へ分けられました。
- ミノキシジル5%+外用フィナステリド0.25%
- 外用フィナステリド0.25%
- ミノキシジル5%
6か月後、併用群では毛髪密度と写真評価が、それぞれの単独群より良好でした。[6]
ただし、どちらも対象者が少ない試験です。
また、短期間の別の小規模試験では、フィナステリド配合剤とミノキシジル単独の差が明確でなかった報告もあります。
そのため、フィナステリドを配合すれば、どの製剤でも必ずミノキシジル単独を上回るとはいえません。
配合剤を考えるときのポイント
フィナステリドとミノキシジルの組み合わせには合理性があります。
ただし、研究ごとに濃度、基剤、使用回数、治療期間が異なります。臨床試験の結果を、すべてのクリニック製剤へそのまま当てはめることはできません。
ミノキシジル外用については、ミノキシジル外用薬の効果と副作用で解説しています。
外用フィナステリドは副作用が少ない?
外用フィナステリドでは、内服より血中への薬剤移行を抑えられる可能性があります。
そのため、性機能に関する副作用が少なくなる可能性はあります。
しかし、現在のデータだけで、外用の方が長期的に安全と断定することはできません。
理由は次のとおりです。
- 外用でも血清DHTが低下する
- 塗布量によって全身への影響が変わる
- 第III相試験は24週間
- 国内の独自製剤は試験製剤と異なる
- 製剤ごとの副作用発生率が分からない
- 長期使用者のデータが内服より少ない
頭皮に起こる可能性がある副作用
外用薬では、使用した場所に次の症状が起こる可能性があります。
- 赤み
- かゆみ
- 乾燥
- ヒリつき
- 落屑
- 発疹
- 熱感
- 接触皮膚炎
症状の原因は、フィナステリドそのものとは限りません。
アルコール、プロピレングリコールなど、製剤の基剤によって刺激が起きることもあります。
ミノキシジル配合剤では、フィナステリド、ミノキシジル、基剤のどれが原因か判断しにくい場合があります。
頭皮に湿疹、傷、強い赤みがある場合は、外用を始める前に頭皮の状態を確認します。
全身性の副作用もゼロではない
外用フィナステリドの一部は皮膚から血液中へ吸収されます。
頻度は製剤ごとに明確ではありませんが、次の症状には注意が必要です。
- 性欲の低下
- 勃起機能の変化
- 射精の変化
- 精液量の変化
- 乳房の張りや痛み
- 睾丸の痛み
- 気分の落ち込み
- 不安
- 肝機能異常
内服フィナステリドで副作用を経験した人が、外用へ切り替えれば必ず症状を避けられるとは限りません。
外用へ変更する場合も、内服時の症状を医師へ伝える必要があります。
FDAは調合外用フィナステリドへ注意喚起している
米国FDAは2025年4月、調合された外用フィナステリド製品について注意喚起を行いました。[9]
FDAには2019~2024年に、調合外用フィナステリドに関連する有害事象が32件報告されていました。
報告された症状には、勃起機能の変化、性欲低下、不安、抑うつ、疲労、不眠、思考がぼんやりする感覚、睾丸痛などが含まれていました。
FDAは、外用フィナステリドが皮膚から血液中へ吸収されることや、頭皮刺激、女性への意図しない薬剤移行にも注意を促しています。
ただし、この32件は自発報告です。
自発報告だけでは、症状と薬の因果関係や、実際の発生率を確定できません。また、FDAの注意喚起は主に米国の調合製品を対象としたものであり、欧州で承認されている標準化されたスプレーの臨床試験結果を否定するものでもありません。
この情報から分かるのは、調合外用薬を「外用だから副作用はない」と説明するのは適切ではないということです。
精神症状についてどう考える?
欧州医薬品庁は2025年、フィナステリドとデュタステリドの安全性を再評価しました。[8]
フィナステリド錠については、自殺念慮が副作用として確認され、製品情報を更新する方針となりました。
一方、フィナステリド皮膚スプレーについては、入手可能なデータから自殺念慮との関連を示す証拠は確認されず、スプレーの製品情報へ新たな記載は追加されませんでした。
ただし、これは外用スプレーで精神症状が絶対に起こらないという意味ではありません。
気分の落ち込み、不安、抑うつ、自殺について考えるなどの変化があれば、使用を中止し、速やかに医療機関へ相談してください。
妊娠中の女性や子どもへの付着に注意する
外用フィナステリドには、錠剤とは異なる注意点があります。
塗布した液が乾く前に、手、枕、帽子、タオル、洗面台などを通じて、他の人の皮膚へ付着する可能性があります。
フィナステリドは、妊娠中の女性が接触すべき薬ではありません。特に男児の胎児へ影響する可能性があるため、妊娠中または妊娠の可能性がある女性への付着を避ける必要があります。
FDAも、外用剤では錠剤より、女性へ意図せず薬が移る危険性が高くなる可能性があると注意を促しています。[9]
使用する場合は、次の点に注意します。
- 塗布後は石けんで手を洗う
- 液が完全に乾くまで他人が頭皮へ触れないようにする
- 塗布直後に枕や帽子を使用しない
- 液が付いたタオルを共用しない
- 洗面台や床へこぼした場合はすぐに拭く
- 妊娠中の女性や子どもの手が届かない場所へ保管する
- 家族が容器を誤って使用しないようにする
日本では承認されている?
2026年8月2日時点で、日本国内で承認されているAGA用フィナステリド製剤として確認できるのは、0.2mg錠と1mg錠などの内服薬です。[10]
外用フィナステリドは、日本国内でAGA治療薬として承認されていません。
一方、欧州の一部加盟国では、成人男性の初期AGAに対するフィナステリド皮膚スプレーが承認されています。[8]
したがって、外用フィナステリドという成分自体に有効性の根拠がないわけではありません。
日本のクリニックで処方される外用フィナステリドは、国内未承認医薬品として医師が輸入・処方している製剤が中心です。
国内未承認である場合、次の点を理解する必要があります。
- 国内で品質・有効性・安全性の承認審査を受けていない
- 製剤ごとに濃度や基剤が異なる
- 入手経路を確認する必要がある
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外になる可能性がある
- 臨床試験製剤と同じ品質とは限らない
外用フィナステリドを検討しやすい人
内服フィナステリドへの抵抗が強い
性機能や気分への影響が心配で、内服治療を始められない人は、外用を検討する余地があります。
外用でも全身への影響はゼロではありませんが、適切に設計された製剤では、内服より血中曝露を少なくできる可能性があります。
ミノキシジル外用だけでは進行抑制が不十分と感じる
ミノキシジルは発毛を促す薬ですが、フィナステリドのようにDHTの生成を抑える薬ではありません。
ミノキシジル外用を継続しながら、AGAの進行抑制も行いたい場合、フィナステリド配合外用薬を検討することがあります。
毎日の塗布を続けられる
外用フィナステリドは、数日使えば終わる治療ではありません。
塗布、乾燥、手洗いを毎日続ける必要があります。生活の中で無理なく継続できるかも重要です。
製剤の内容を確認できる
外用薬を選ぶときは、「フィナステリド入り」という説明だけでは不十分です。
濃度、1回量、使用回数、ミノキシジル濃度、基剤、入手経路まで説明を受けられる医療機関が望ましいでしょう。
外用を慎重に考えた方がよい人
内服で副作用が出たことがある
外用でも血清DHTが低下するため、内服時と同様の症状が起こらないとは限りません。
副作用歴を伝えたうえで、使用の可否を判断します。
頭皮に炎症や傷がある
湿疹、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、傷がある場合は、外用薬による刺激が悪化する可能性があります。
吸収量が変わる可能性もあるため、まず頭皮の状態を整えます。
妊娠中の女性や小さな子どもと生活している
使用できないと一律に決まるわけではありませんが、二次接触を防ぐ管理が必要です。
塗布後の手洗いや、液が乾くまでの接触防止を毎日徹底できるかを考えます。
塗布を続ける自信がない
外用は、薄毛部分へ適切な量を継続して塗る必要があります。
錠剤の方が継続しやすい人もいるため、生活に合う治療を選ぶことが大切です。
外用フィナステリドを扱う提携クリニック
当サイトの提携クリニックのうち、2026年8月2日時点で、公式サイトに外用フィナステリド配合製剤の具体的な記載を確認できたのは次の2院です。
どちらが優れているという比較ではありません。
製剤の濃度、使用方法、料金体系が異なるため、希望する治療内容に合うかを確認します。
湘南AGAクリニックの「塗るフィナス」
湘南AGAクリニックでは、「塗るフィナス(HRアクアスプレー)」を取り扱っています。
公式サイトには、次の内容が掲載されています。
- ミノキシジル6.5%
- フィナステリド0.5mg
- 内容量60mL
- 1回1mLを1日2回使用
- 1本4,980円
- オンライン診療に対応
ここで注意したいのが、「フィナステリド0.5mg」という表記です。
公式ページでは、ミノキシジルは6.5%と濃度で表示されていますが、フィナステリドは0.5mgと重量で表示されています。
公開ページの表記だけでは、0.5mgが1mL当たりなのか、1回量当たりなのか、容器全体なのかを明確に判断できません。
診察時には、次の点を確認する必要があります。
- 0.5mgは何に対する含有量か
- 1回1mLに含まれるフィナステリド量
- 1日2回使用した場合の総投与量
- 内服フィナステリドとの併用が必要か
- 国内未承認薬としての入手経路
- 副作用が起きた場合の対応
また、第III相試験で使用された0.25%フィナステリドスプレーと、湘南AGAの塗るフィナスは同じ製剤ではありません。
臨床試験の結果を、そのまま湘南AGAの製剤の効果として扱うことはできません。
外用フィナステリド配合スプレーを相談したい人へ
湘南AGAクリニックでは、フィナステリドとミノキシジルを配合した外用スプレーを、対面診療またはオンライン診療で相談できます。
成分量の意味、内服薬との併用、最新料金を診察時に確認してください。
AGAスキンクリニックの「Rebirthプラスリキッド」
AGAスキンクリニックでは、フィナステリドとミノキシジルを配合した「Rebirthプラスリキッド」を取り扱っています。
公式サイトでは、次の成分が案内されています。
- ミノキシジル7.5%
- フィナステリド0.1%
- スプレータイプの外用薬
- 日本国内未承認医薬品
料金は契約期間によって異なります。
公式料金ページでは、プラスリキッドの月額料金が次のように案内されています。
- 6か月未満:月24,200円
- 6か月:月19,360円
- 12か月以上:月16,940円
定額制プランでは、通常のミノキシジル外用液から、月額2,200円を追加してプラスリキッドへ変更する案内もあります。
Rebirthは、AGAスキンクリニックが輸入して扱う国内未承認医薬品です。
外用薬だけでなく、内服ミノキシジルや内服フィナステリドを組み合わせたプランもあるため、外用フィナステリド単独の料金と誤解しないよう注意が必要です。
内服と外用を含めて治療内容を相談したい人へ
AGAスキンクリニックでは、フィナステリドとミノキシジルを配合した外用薬のほか、内服薬を含めた治療相談ができます。
長期契約を含む料金体系のため、月額だけでなく契約期間と総額を確認してください。
2院の製剤を単純比較できない理由
公式情報を整理すると、次のようになります。
| クリニック | 製剤 | 公式の成分表記 | 料金目安 |
|---|---|---|---|
| 湘南AGAクリニック | 塗るフィナス | ミノキシジル6.5%+フィナステリド0.5mg | 1本4,980円 |
| AGAスキンクリニック | Rebirthプラスリキッド | ミノキシジル7.5%+フィナステリド0.1% | 月16,940~24,200円 |
ただし、この表だけを見て、濃度や費用を単純比較することはできません。
湘南AGAはフィナステリドをmgで、AGAスキンクリニックは%で表記しています。
容器の使用期間、1回量、1日量、契約に含まれる診察や他の薬剤も異なります。
「フィナステリドの数字が大きい方が効く」「料金が高い方が高品質」と判断するのではなく、1日当たりの総投与量と治療内容を確認してください。
ほかの提携クリニックは掲載しないの?
本記事では、公式ページで外用フィナステリド配合剤の成分や製品名を具体的に確認できた提携先だけに、専用のアフィリエイトCTAを設置します。
AGA治療全般を扱うクリニックであっても、外用フィナステリドの具体的な取扱いを公式情報から確認できない場合は、「外用フィナステリドを処方している」とは記載しません。
今後、公式サイトで製剤名、成分、料金を確認できた場合に追加します。
外用薬を比較するときに確認したいこと
外用フィナステリドは、製品名や価格だけで選ばないことが重要です。
医師へ次の点を確認します。
- フィナステリドは何%含まれていますか?
- %ではなくmg表記の場合、何mL当たりの量ですか?
- 1回に何mL使用しますか?
- 1日何回使用しますか?
- 1日当たりのフィナステリド総量は何mgですか?
- ミノキシジルは何%含まれていますか?
- アルコールやプロピレングリコールは含まれていますか?
- 日本国内未承認の製剤ですか?
- どの国・メーカーから輸入していますか?
- 内服フィナステリドとの併用は必要ですか?
- 副作用が出たときは、どこへ連絡しますか?
- 何か月後に効果を判定しますか?
- 効果がなければ中止できますか?
- 診察、検査、送料を含む年間総額はいくらですか?
AGA治療薬や診療体制を広く比較したい場合は、AGAクリニックの比較とオンラインAGAの料金比較も参考にしてください。
外用と内服を両方使ってもよい?
外用フィナステリドと内服フィナステリドを併用する治療が提案されることがあります。
ただし、どちらも同じフィナステリドです。
二つの経路から使うことで、頭皮や血清のDHT抑制が強くなる可能性があります。
一方、内服単独に外用を追加した場合、毛髪数がどの程度上乗せされるかを直接示した十分な比較試験は確認できません。
併用する場合は、次の点を明確にします。
- なぜ外用も追加するのか
- 現在の内服で改善しているか
- 外用にはミノキシジルも含まれているか
- 性機能や気分の変化がないか
- 何か月後に上乗せ効果を評価するか
- 効果がなければ外用を中止できるか
薬を多く使うこと自体を、治療の目標にしないことが重要です。
フィナステリド内服、ミノキシジル内服、ミノキシジル外用の併用については、ミノキシジル内服中でも外用は必要?で解説しています。
内服から外用へ切り替えられる?
内服フィナステリドから外用へ切り替えることはあります。
しかし、標準的な切り替え方法は確立していません。
- ある日から完全に切り替える
- 一定期間だけ内服と外用を重ねる
- 内服の回数を徐々に減らす
といった方法のどれが優れているかを比較した十分な試験はありません。
また、内服によって維持できていた毛髪を、外用へ変更した後も同じように維持できるとは限りません。
自己判断で内服を中止せず、外用製剤の濃度、1日量、臨床試験との違いを確認したうえで切り替えます。
効果はいつ判断する?
第III相試験では、12週からプラセボとの差が確認され、24週で主な評価が行われました。[1]
実際の治療でも、数日や数週間で最終的な効果を判断することはできません。
一般的には、次のような流れで経過を確認します。
使用前
正面、生え際、前頭部、頭頂部、つむじを撮影します。
1か月前後
赤み、かゆみ、乾燥、性機能、気分の変化などを確認します。
3か月前後
抜け毛や初期の変化を確認します。ただし、この時点だけで効果不十分と判断しません。
6か月前後
使用前と同じ条件で撮影した写真を比較します。
6~12か月
効果、頭皮症状、全身症状、塗布の負担、費用を含めて継続する意味を判断します。
正しく使用するための注意点
具体的な使用量と回数は、製剤によって異なります。
処方された製品の指示に従ってください。
一般的には次の点に注意します。
- 髪ではなく頭皮へ塗る
- 指定された量を守る
- 使用量を自己判断で増やさない
- 使用後は石けんで手を洗う
- 目や口へ入れない
- 頭皮に傷や湿疹があるときは相談する
- 液が乾くまで他人が触れないようにする
- 塗布直後に枕や帽子へ接触させない
- 妊娠中の女性や子どもが触れない場所へ保管する
- 内服薬やほかの外用薬を医師へ伝える
研究で使用されたスプレーと、クリニックで処方される製剤では使用方法が異なります。
別製品の使用量を参考にしないでください。
個人輸入や自作は避ける
外用フィナステリドは、海外製品をインターネットで個人輸入できることがあります。
しかし、個人輸入品には次の問題があります。
- 表示どおりの成分か分からない
- 濃度が正しいとは限らない
- 基剤や不純物が不明
- 保管状態が分からない
- 副作用時の相談先がない
- 救済制度の対象外になる可能性がある
フィナステリド錠を砕き、ミノキシジル外用液などへ混ぜる自作も避けてください。
錠剤が均一に溶けるとは限らず、濃度、皮膚への浸透性、全身への吸収量を予測できません。
外用フィナステリドを選ぶ流れ
1.AGAの診断を確認する
急激な脱毛、斑状の脱毛、頭皮の痛みや強い炎症がある場合は、AGA以外の病気を確認します。
2.治療の目的を決める
薄毛の進行を抑えたいのか、発毛も目指すのかを整理します。
3.承認薬と比較する
内服フィナステリド、内服デュタステリド、ミノキシジル外用と比較します。
デュタステリドとの違いは、デュタステリドの効果とフィナステリドとの違いで解説しています。
4.外用を選ぶ理由を確認する
内服への抵抗、ミノキシジルとの配合、毎日の塗布を続けられるかを確認します。
5.製剤の中身を確認する
フィナステリド濃度、1回量、使用回数、ミノキシジル濃度、基剤を確認します。
6.二次接触対策を確認する
妊娠中の女性や子どもへの付着を防げるかを考えます。
7.効果と副作用を写真で評価する
6か月前後を一つの目安に、続ける意味を判断します。
まとめ|外用フィナステリドは選択肢になるが、製剤ごとの確認が必要
外用フィナステリドには、男性AGAに対する有効性を支持する第III相試験があります。
欧州の458人を対象とした試験では、24週後の毛髪数がプラセボより有意に増加しました。
中国人男性270人を対象とした別の第III相試験でも、毛髪数と硬毛数の増加が確認されています。[1,2]
したがって、外用フィナステリドを、効果の根拠がない治療として否定する必要はありません。
一方、次の点には注意が必要です。
- 日本ではAGA治療薬として未承認
- 内服と同じ効果が証明されたわけではない
- 外用でも血液中へ吸収される
- 血清DHTは低下する
- 塗布量によって全身への影響が変わる
- 性機能や気分への影響を完全には否定できない
- 長期データは内服より少ない
- 製剤ごとに濃度、塗布量、基剤が異なる
- 臨床試験の結果をクリニック独自製剤へそのまま当てはめられない
- 妊娠中の女性などへの二次接触に注意が必要
外用フィナステリドは、特に内服への抵抗が強い人にとって、検討する価値のある選択肢です。
ただし、「塗り薬だから安全」と考えるのではなく、内服より全身への曝露を抑えられる可能性がある一方、製剤と使用量によっては全身へも作用する治療と理解する必要があります。
治療を始める前に、濃度だけでなく1回量と1日量、ミノキシジルの配合、国内未承認であること、副作用時の対応まで確認してください。
参考文献
- Piraccini BM, Blume-Peytavi U, Scarci F, et al. Efficacy and safety of topical finasteride spray solution for male androgenetic alopecia: a phase III, randomized, controlled clinical trial. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2022;36:286-294. PMID:34634163.
- Zhou C, Yang B, Zeng H, et al. Efficacy and safety of topical finasteride spray solution in the treatment of Chinese men with androgenetic alopecia: A phase III, multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled study. Chin Med J. 2026;139:1054-1061. PMID:40090937.
- Caserini M, Radicioni M, Leuratti C, et al. A novel finasteride 0.25% topical solution for androgenetic alopecia: pharmacokinetics and effects on plasma androgen levels in healthy male volunteers. Int J Clin Pharmacol Ther. 2014;52:842-849. PMID:25074865.
- Caserini M, Radicioni M, Leuratti C, et al. Effects of a novel finasteride 0.25% topical solution on scalp and serum dihydrotestosterone in healthy men with androgenetic alopecia. Int J Clin Pharmacol Ther. 2016;54:19-27. PMID:26636418.
- Suchonwanit P, Srisuwanwattana P, Chalermroj N, Khunkhet S. A randomized, double-blind controlled study of topical 0.25% finasteride admixed with 3% minoxidil versus 3% minoxidil. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2018;32:2257-2263. PMID:29972712.
- Rossi A, Caro G. Efficacy of the association of topical minoxidil and topical finasteride compared to their use in monotherapy in men with androgenetic alopecia. J Cosmet Dermatol. 2024;23:502-509. PMID:37798906.
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン作成委員会. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版. 日本皮膚科学会雑誌. 2017;127:2763-2777.
- European Medicines Agency. Measures to minimise risk of suicidal thoughts with finasteride and dutasteride medicines. 2025.
- U.S. Food and Drug Administration. Potential risks associated with compounded topical finasteride products. 2025.
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. フィナステリド錠0.2mg・1mg 医療用医薬品情報.
本記事の調査方法
本記事では、外用フィナステリドの第III相試験、中国人男性を対象とした第III相試験、薬物動態試験、塗布量と頭皮・血清DHTの関係、ミノキシジルとの配合剤を評価した比較試験、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドライン、PMDAの国内承認医薬品情報、EMAとFDAの安全性情報、提携クリニックの公式製剤・料金情報を確認しました。
2026年8月2日までに確認できた範囲では、外用フィナステリドには男性AGAに対する有効性を支持する第III相試験があります。
一方、国内クリニックの独自製剤が、各臨床試験で使用された製剤と同等であることを示す試験は確認できませんでした。
更新履歴
- 2026年8月2日:初版作成
- 欧州・中国の第III相試験を掲載
- 血中フィナステリド濃度と血清DHTへの影響を整理
- 濃度だけでなく塗布量が重要である点を追加
- ミノキシジル配合剤の比較試験を追加
- FDAの調合外用フィナステリドへの注意喚起を追加
- EMAのフィナステリド安全性評価を追加
- 妊娠中の女性などへの二次接触リスクを追加
- 湘南AGAとAGAスキンクリニックの製剤・料金情報を追加
- 臨床試験製剤とクリニック独自製剤を明確に区別
よくある質問
Q.外用フィナステリドは本当に効果がありますか?▾
Q.内服フィナステリドと同じくらい効きますか?▾
Q.外用なら副作用はありませんか?▾
Q.外用でも血清DHTは下がりますか?▾
Q.血液中へ移行する量は内服より少ないですか?▾
Q.日本で承認されていますか?▾
Q.海外では承認されていますか?▾
Q.日本皮膚科学会で推奨されていますか?▾
Q.ミノキシジルとの配合剤は効果がありますか?▾
Q.外用フィナステリドだけでも発毛しますか?▾
Q.内服から外用へ切り替えられますか?▾
Q.内服と外用を両方使えますか?▾
Q.性欲低下が心配な人に向いていますか?▾
Q.頭皮がかゆくなることはありますか?▾
Q.ミノキシジルでかぶれた人も使えますか?▾
Q.効果はどれくらいで判断しますか?▾
Q.使用をやめるとどうなりますか?▾
Q.生え際にも使えますか?▾
Q.高濃度ほど効果がありますか?▾
Q.女性も使えますか?▾
Q.妊娠中の女性が触れても大丈夫ですか?▾
Q.市販されていますか?▾
Q.個人輸入してもよいですか?▾
Q.湘南AGAの塗るフィナスには何が入っていますか?▾
Q.AGAスキンクリニックにも外用フィナステリドはありますか?▾
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