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ウゴービで男性は何%減った?1,961人のSTEP 1試験を解説

STEP 1試験は糖尿病のない過体重・肥満成人1,961人をセマグルチド2.4mgとプラセボに分け68週間追跡しました。主要結果、男性・日本人サブグループ、安全性、限界を解説します。

医療ダイエット医師による医療情報レビュー済み公開日: 2026年10月3日更新日: 2026年10月3日公式情報確認日: 2026年10月3日

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ウゴービ(一般名セマグルチド)を使うと、男性の体重はどのくらい減るのでしょうか。よく引用される根拠の一つが、糖尿病のない過体重・肥満成人1,961人を対象とした第3相無作為化比較試験「STEP 1」です。

68週時点の平均体重変化率は、セマグルチド2.4mg群が−14.9%、プラセボ群が−2.4%でした。群間差は−12.4ポイント(95%信頼区間 −13.4〜−11.5、P<0.001)です[1]。ただし参加者の約4分の3は女性で、男性サブグループの観察値は−11.7%でした。これは男性だけを主要対象として有効性を証明した結果ではありません[4]。

また、STEP 1の対象と日本でのウゴービの承認条件は同じではありません。「BMIが高ければ誰でも使える」「美容目的で標準体重の人にも同じ効果がある」と読むことはできません。

この記事では、STEP 1の研究デザイン、対象、介入・比較、主要評価項目、効果量と95%信頼区間、男性・日本人サブグループ、有害事象、追跡期間、限界、資金提供・利益相反、日本国内の診療への適用範囲を、原著全文とPMDA審査報告書に基づいて解説します。

主対象論文: Wilding JPH, Batterham RL, Calanna S, et al. “Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity.” New England Journal of Medicine. 2021;384(11):989-1002. DOI:10.1056/NEJMoa2032183. PMID:33567185.
NEJM原著全文 / PubMed抄録 / ClinicalTrials.gov(NCT03548935)

3分で分かる結論

STEP 1で確認された要点は次の通りです[1][4]。

項目セマグルチド2.4mgプラセボ
無作為化人数1,306人655人
68週の平均体重変化率−14.9%−2.4%
群間差−12.4ポイント—
群間差の95%信頼区間−13.4〜−11.5—
5%以上減量86.4%31.5%
10%以上減量69.1%12.0%
15%以上減量50.5%4.9%
消化器系有害事象74.2%47.9%
有害事象による中止7.0%3.1%

効果の群間差は統計学的に明確でした。一方、この数字は生活習慣への介入を併用した集団平均です。個人が必ず14.9%減るという保証ではありません。

男性の観察値はセマグルチド群−11.7%、プラセボ群−3.2%でしたが、男性は全体の約4分の1にすぎません。性別による効果差を主要目的として検証した試験ではなく、「男性なら11.7%減る」と予測する数字ではありません[4]。

日本人100人のサブグループでは、観察値が−15.2%対−3.6%、モデルによる群間差が−10.78ポイント(95%信頼区間 −14.42〜−7.15)でした[4]。人数が少ない探索的情報であり、日本人全体の効果を確定する試験ではありません。

STEP 1はどんな試験か

第3相・二重盲検・無作為化プラセボ対照試験

STEP 1は、週1回セマグルチド2.4mgの体重管理効果と安全性を検討した第3相試験です[1][3]。参加者と研究者の双方が割付を知らない二重盲検で、セマグルチド群とプラセボ群を2対1に無作為化しました。

無作為化は、治療を受ける人の背景が片方へ偏る影響を小さくするための方法です。プラセボ対照により、生活指導や試験参加そのものによる変化と、薬の上乗せ効果を分けて評価しやすくなります。

一方、プラセボとの比較であって、ゼップバウンド(チルゼパチド)や他の肥満症治療薬と直接比較した試験ではありません。薬剤間の違いを検討する場合は、ゼップバウンドとウゴービの比較で試験間比較の限界も確認してください。

対象は糖尿病のない過体重・肥満成人1,961人

主な対象は、18歳以上で次のいずれかを満たす成人でした[1][3]。

  • BMI 30kg/m²以上
  • BMI 27kg/m²以上で、高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸、心血管疾患など体重関連の併存症が1つ以上

2型糖尿病がある人は対象外です。平均年齢は46歳、平均体重は105.3kg、平均BMIは37.9kg/m²でした。女性が74.1%で、男性は25.9%でした[1][4]。

平均BMIや性別構成から分かる通り、標準体重の男性や、日本の一般的な美容ダイエット希望者を代表する集団ではありません。体重だけでなく、肥満に関連する健康障害を含む集団です。

68週間の投与と生活習慣介入

セマグルチド群は0.25mgから開始し、4週間ごとに0.5mg、1.0mg、1.7mgへ増量して、16週以降に2.4mgを目標としました[1][4]。忍容性に問題がある場合は、増量を遅らせたり1.7mgで継続したりできる設計でした。

両群とも、食事と身体活動に関する生活習慣介入を受けています。試験薬だけで自由に食べてよいという研究ではありません。薬の効果は生活習慣の支援を併用した条件で評価されました。

治療期間は68週で、その後7週間の追跡が行われました[1][3]。68週より先の継続効果や、治療中止後の長期体重変化を直接評価する試験ではありません。

主要評価項目と解析方法

共同主要評価項目は次の2つです[1]。

  1. 68週時点の体重変化率
  2. 68週時点で5%以上の体重減少を達成した割合

主要解析には、試験薬の中止や他の体重管理介入の使用があっても、割り付けられた治療方針の下で起きた結果として評価する「treatment-policy estimand」が使われました。実際に治療を続けられた人だけを選んだ単純平均ではありません。

この考え方は実臨床に近い面がありますが、欠測値の扱いには統計的な補完が含まれます。原著では事前に定めた複数の感度分析が行われ、結果の方向は一貫していました[1]。

試験完了率は94.3%、68週時点の体重評価が得られた割合は91.2%、治療継続は81.1%でした[1]。高い追跡率は強みですが、約2割が試験薬を最後まで継続していない点も同時に見る必要があります。

主要結果:平均−14.9%、群間差−12.4ポイント

体重変化率

68週時点の平均体重変化率は次の通りでした[1]。

  • セマグルチド2.4mg群:−14.9%
  • プラセボ群:−2.4%
  • 群間差:−12.4ポイント
  • 95%信頼区間:−13.4〜−11.5
  • P値:0.001未満

95%信頼区間が0をまたいでおらず、統計学的な差は明確です。群間差−12.4ポイントは、セマグルチド群がプラセボ群より平均で12.4ポイント大きく減ったという意味です。個人が12.4kg減る、または必ず12.4%減るという意味ではありません。

体重の絶対変化は、セマグルチド群−15.3kg、プラセボ群−2.6kgで、群間差は−12.7kg(95%信頼区間 −13.7〜−11.7)でした[1]。試験開始時の平均体重が105kgを超えていたため、このkg値を体重70kgの人へそのまま当てはめることはできません。

5%、10%、15%以上減量した割合

68週で各減量基準を達成した割合は次の通りです[1]。

達成基準セマグルチド2.4mgプラセボ
5%以上86.4%31.5%
10%以上69.1%12.0%
15%以上50.5%4.9%

5%以上減量のオッズ比は11.22(95%信頼区間 8.88〜14.19)でした[1]。オッズ比11.22を「11倍痩せる」と読むのは誤りです。一定の減量基準を達成するオッズを比較した指標で、体重変化量の倍率ではありません。

セマグルチド群でも13.6%は5%以上減量に達していません。反応には個人差があり、効果が不十分な場合に漫然と続けるのではなく、使用状況、食事、併存症、薬剤性の体重増加、他の治療選択肢を再評価します。

腹囲とBMI

観察値ベースでは、腹囲の変化はセマグルチド群−14.1cm、プラセボ群−4.4cm、BMIの変化は−5.8対−1.0kg/m²でした[4]。

体重だけでなく腹囲や代謝指標が改善する方向は示されましたが、STEP 1は心筋梗塞や脳卒中、死亡の減少を主要評価した試験ではありません。心血管イベントについては、対象も目的も異なるSELECT試験の解説を参照してください。

男性では何%減ったのか

PMDA審査報告書の性別サブグループ表では、68週時点に評価可能だった男性の観察値は次の通りです[4]。

男性サブグループ人数68週の体重変化率(平均±標準偏差)
セマグルチド2.4mg327人−11.7±8.0%
プラセボ146人−3.2±6.5%

参考として、女性はセマグルチド群−17.0±10.4%、プラセボ群−2.6±6.5%でした[4]。

この表だけを見ると女性の平均減量率が大きく見えます。しかし、次の理由から「男性には効きにくい」と断定できません。

  • 性別差の検証が共同主要評価項目ではない
  • 男性は全体の約4分の1で人数が少ない
  • 表は68週に評価可能だった参加者の観察値である
  • 性別と治療効果の交互作用を示す正式な検定結果や信頼区間が、この表には示されていない
  • 開始時体重、体組成、生活習慣、併存症などが性別で異なる可能性がある

したがって、男性に説明する場合は「STEP 1の男性サブグループでは平均11.7%減だったが、男性だけで有効性を確定した試験ではない」と表現するのが適切です。自分の減量幅を予測する数字には使えません。

また、体重が減る過程では脂肪だけでなく除脂肪量も変化し得ます。男性では筋量維持も重要なので、食事量だけを減らすのではなく、たんぱく質、筋力、運動習慣を確認します。実践上の注意はGLP-1減量中の筋肉維持で整理しています。

日本人100人のサブグループ

STEP 1には日本人100人が参加し、セマグルチド群67人、プラセボ群33人でした[4]。

68週時点の体重変化率の観察値は、セマグルチド群−15.2±9.8%、プラセボ群−3.6±6.4%でした。モデルに基づく群間差は−10.78ポイント(95%信頼区間 −14.42〜−7.15)です[4]。

5%以上の減量を達成した割合は84.8%対39.4%、オッズ比8.36(95%信頼区間 3.14〜22.21)でした[4]。

日本人でも効果の方向は全体集団と整合していました。ただし、100人という小規模サブグループであり、95%信頼区間も全体集団より広くなっています。日本人だけを対象に十分な検出力を持たせた独立試験ではありません。

さらに、試験参加者のBMIや併存症、管理体制は一般診療と同じとは限りません。「日本人なら平均15.2%減る」と広告的に使うべきではありません。

有害事象:消化器症状が多い

全体の有害事象

PMDA審査報告書に示された68週間の安全性は次の通りです[4]。

安全性項目セマグルチド2.4mgプラセボ
何らかの有害事象89.7%86.4%
重篤な有害事象9.8%6.4%
有害事象による治療中止7.0%3.1%
消化器系有害事象74.2%47.9%

原著では悪心と下痢が多く、多くは一過性で軽度から中等度でした[1]。ただし「多くが軽症」であっても、症状がないという意味ではありません。消化器症状による治療中止は4.5%対0.8%でした[1]。

吐き気、便秘、下痢が続く場合は、自己判断で投与間隔や用量を変えず、処方医へ相談します。少量の水分も保てない、尿が極端に少ない、強い脱力がある場合は脱水の評価が必要です。日常的な対処と受診目安はGLP-1の吐き気・便秘・下痢で確認できます。

胆嚢関連事象と膵炎

胆嚢関連の有害事象はセマグルチド群2.6%、プラセボ群1.2%でした。重篤な胆嚢関連事象は1.3%対0.3%です[4]。

急性膵炎はセマグルチド群2人(0.2%)、プラセボ群0人でした[4]。人数が少ないため、この試験だけでリスクの有無や大きさを確定できません。

強く持続する上腹部痛、背中へ広がる痛み、繰り返す嘔吐、発熱を伴う右上腹部痛、黄疸などがある場合は、次回予約を待たず医療機関へ連絡してください。胆石・胆嚢炎・膵炎の受診目安も参照できます。

重篤な有害事象の読み方

重篤な有害事象は9.8%対6.4%でした。公開された原著補足資料とPMDA評価では、重篤な消化器系・肝胆道系事象が群間差に寄与しています[1][4]。

一方、試験は稀な有害事象を確定するための規模・期間ではありません。発生しなかった事象を「リスクゼロ」とは判断できず、発生数が少ない事象から正確な相対リスクを推定することも困難です。

試験中止と追跡状況

1,961人のうち112人が試験から離脱しました。セマグルチド群66人、プラセボ群46人で、主な理由は追跡不能67人、本人希望43人、死亡2人でした[4]。

試験薬を中止しても可能な限り体重測定を続け、treatment-policy estimandで評価した点は強みです。ただし、欠測が完全になくなるわけではなく、統計的補完の前提が結果へ影響する可能性があります。

有害事象による治療中止がセマグルチド群で多かったことも、効果の平均値と並べて説明すべきです。効いた人だけを見た結果ではありませんが、開始した全員が2.4mgを68週間続けられたわけでもありません。

STEP 1の強み

1,961人を無作為化した大規模試験

肥満症薬の有効性を検討する試験として規模が大きく、無作為化と二重盲検により背景差や評価の偏りを小さくしています。

68週間追跡した

数週間の短期的な食欲・体重変化ではなく、増量期間を含む68週間を評価しています。1年以上の減量効果と忍容性を考える材料になります。

効果量と95%信頼区間を報告

P値だけでなく、群間差、95%信頼区間、複数の減量達成基準が示されています。「差がある」だけでなく、差の大きさと不確実性を読めます。

中止・追加介入を考慮した推定

治療を完遂した人だけでなく、中止や追加介入があった場合を含む主要推定値を示しています。理想的に継続できた場合だけを強調するより、治療方針としての効果を評価しやすい設計です。

STEP 1の限界

男性が少ない

参加者の約74%が女性で、男性は約26%でした。男性だけの主要解析ではなく、男性サブグループの精度は全体結果より低くなります。

2型糖尿病患者を含まない

糖尿病のある人は対象外です。糖尿病治療薬としてセマグルチドを使用する場合の体重変化、低血糖リスク、治療中止について、この数値を直接適用できません。

実薬との直接比較ではない

比較対象はプラセボです。チルゼパチド、リラグルチド、手術治療などと直接無作為化比較した結果ではありません。別試験の平均値を横並びにして優劣を断定すると、対象や解析方法の違いを無視することになります。

68週を超える長期効果は分からない

治療期間は68週で、追跡はその後7週間です。数年単位の体重維持、稀な有害事象、中止後の再増加を確定する試験ではありません。

ハードアウトカム試験ではない

主要評価項目は体重です。心筋梗塞、脳卒中、心血管死亡、総死亡を減らすかを証明する設計ではありません。体重減少と臨床イベント改善は分けて考えます。

生活習慣介入を併用

両群に生活習慣介入がありました。薬だけで得られた結果ではなく、診療支援が乏しい環境で同じ数値になるとは限りません。

個別の予測には使えない

平均値は、ある個人の反応、副作用、継続可能性を予測しません。遺伝的背景、併用薬、睡眠、食行動、筋量、健康障害などで結果は異なります。

資金提供と利益相反

STEP 1はNovo Nordiskの資金提供で実施されました[1]。スポンサーは試験設計、実施、データ収集・解析、原稿作成の支援に関与し、スポンサー資金によるメディカルライターの支援も開示されています。著者のうち複数はNovo Nordiskの従業員でした[1]。

著者はデータへのアクセスと原稿内容への責任を表明していますが、企業資金とスポンサー関与は結果を読む上で重要な背景です。企業資金による試験だから直ちに無効ということではありません。一方、独立研究、他試験、承認審査資料、実臨床データも合わせて評価する必要があります。

日本の診療へどう当てはめるか

国内承認は美容目的の自由使用ではない

日本のウゴービは肥満症治療薬です。電子添文と最適使用推進ガイドラインでは、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、高血圧、脂質異常症または2型糖尿病を有し、次のいずれかに該当する場合など、具体的な条件が定められています[5][6]。

  • BMI 27kg/m²以上で、肥満に関連する健康障害を2つ以上有する
  • BMI 35kg/m²以上

STEP 1はBMI 30以上、またはBMI 27以上で体重関連併存症が1つ以上という組み入れ基準です。日本の承認条件と完全には一致しません。

「BMI 27以上なら保険で使える」という単純な条件でもありません。診断、健康障害、既存治療、施設要件などを確認します。詳しくはウゴービ・ゼップバウンドの保険適用条件で整理しています。

国内用量と試験の2.4mgを区別

STEP 1では週1回2.4mgを目標に増量しました。国内でも段階的に増量しますが、忍容性や安全性を無視して早く2.4mgへ上げる根拠にはなりません。

吐き気があるのに予定通り増量する、自己判断で投与間隔を変える、他人の薬を使うといった行為は避けてください。用量調整は処方医が症状と治療反応を確認して判断します。

標準体重者へ外挿しない

STEP 1は平均BMI 37.9kg/m²の集団です。標準体重の人が数kgだけ美容目的で減らしたい場合の利益とリスクは評価していません。

適応外・未承認の個人輸入や非正規流通品には、品質、偽造、保管、健康被害時の救済など別の問題もあります。処方可否は広告の減量率ではなく、国内承認情報と医師の診断に基づいて判断します。

数字を受診判断へ変える5つのポイント

1. 14.9%を目標値に固定しない

14.9%は全体の平均です。反応が小さくても健康障害が改善する場合があり、反応が大きくても栄養不足や筋力低下があれば治療調整が必要です。

2. 男性の11.7%を予測値にしない

男性サブグループの観察値であり、性別差を証明する解析ではありません。開始時の体重、腹囲、血圧、血糖、脂質、睡眠時無呼吸、筋力などを個別に追跡します。

3. 効果と継続可能性をセットで見る

消化器症状は多く、有害事象による中止もプラセボより多い結果でした。減量率だけでなく、食事・水分を保てるか、日常生活へ支障がないか、重い症状がないかを確認します。

4. 体重以外の指標も測る

腹囲、血圧、血糖、脂質、肝機能、睡眠、関節症状、筋力を確認します。目的は数字だけを減らすことではなく、肥満に関連する健康障害を改善することです。

5. 受診先では診断とフォロー体制を確認

オンラインか対面かにかかわらず、適応確認、既往歴・併用薬の確認、増量基準、副作用時の連絡先、検査、治療中止基準、費用総額を確認します。選び方の全体像は男性の医療ダイエット完全ガイドを参照してください。

よくある質問

STEP 1では男性は何%痩せましたか?

68週に評価可能だった男性の観察値は、セマグルチド群−11.7%、プラセボ群−3.2%でした[4]。ただし男性だけを主要対象とした試験ではなく、性別差を確定する結果ではありません。

ウゴービを使えば誰でも15%痩せますか?

いいえ。−14.9%は集団平均で、5%以上減量に達しなかった人もいます。個人差があり、効果保証ではありません。

日本人でも同じ効果ですか?

日本人100人の小規模サブグループでは効果の方向は全体と整合しましたが、日本人全体の効果を確定する独立試験ではありません。少人数の探索的情報として読む必要があります。

男性は女性より効きにくいですか?

断定できません。観察値には差がありましたが、性別による治療効果の差を主要目的として検証した試験ではありません。正式な交互作用評価なしに優劣を決めるべきではありません。

何週間で2.4mgまで増量しますか?

STEP 1では0.25mgから始め、原則4週間ごとに段階的に増量しました。実診療の増量は電子添文と医師の判断に従います。副作用があるのに自己判断で増量しないでください。

2型糖尿病があっても同じ結果ですか?

STEP 1は2型糖尿病患者を除外しています。糖尿病がある人へ体重変化率や安全性をそのまま当てはめられません。

心筋梗塞や死亡も減りますか?

STEP 1は体重減少を主要評価した試験で、心血管イベントや死亡の減少を証明する設計ではありません。心血管アウトカムは別の試験で評価する必要があります。

膵炎が2人なら心配しなくてよいですか?

そうとはいえません。稀な有害事象を確定するには規模と期間が不足しています。強い持続性腹痛や嘔吐がある場合は、自己判断で様子を見ず受診してください。

保険適用になりますか?

STEP 1の参加条件だけで保険適用は決まりません。国内の効能・効果、最適使用推進ガイドライン、健康障害、施設要件を確認します。自由診療の場合も、適応・総額・フォロー体制の確認が必要です。

ゼップバウンドより効果が弱いですか?

STEP 1はプラセボ対照で、チルゼパチドとの直接比較ではありません。別試験の平均値だけを比べて、個人にとってどちらが優れるか断定できません。

まとめ|効果は明確だが、男性個人の予測値ではない

STEP 1は、糖尿病のない過体重・肥満成人1,961人を対象に、週1回セマグルチド2.4mgとプラセボを68週間比較した第3相無作為化二重盲検試験です[1][3]。

平均体重変化率は−14.9%対−2.4%、群間差は−12.4ポイント(95%信頼区間 −13.4〜−11.5、P<0.001)でした。5%以上減量した割合も86.4%対31.5%でした。

男性サブグループの観察値は−11.7%対−3.2%でしたが、男性は全体の約4分の1です。男性だけで有効性を確定した試験ではなく、性別差や個人の減量幅を予測する結果ではありません。

日本人100人でも効果の方向は全体と整合しましたが、少人数の探索的解析です。日本のウゴービの承認条件はSTEP 1の参加条件より限定的で、美容目的の標準体重者へ結果を外挿できません。

安全性では消化器症状が多く、胆嚢関連事象や少数の急性膵炎も報告されました。減量率だけでなく、適応、増量、栄養・筋力、検査、副作用時の連絡体制を合わせて確認する必要があります。

試験はNovo Nordiskの資金提供で、スポンサーが複数工程に関与しています。効果量と信頼区間は重要な根拠ですが、対象の偏り、追跡期間、実薬比較でないこと、利益相反も含めて読むべきです。

治療を検討する場合は、広告の平均減量率だけで開始を決めず、国内の承認条件と自分の健康障害を医師と確認してください。

参考文献・確認資料

  1. Wilding JPH, Batterham RL, Calanna S, Davies M, Van Gaal LF, Lingvay I, et al. Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity. N Engl J Med. 2021;384(11):989-1002. DOI:10.1056/NEJMoa2032183. PMID:33567185. PubMed抄録.

  2. U.S. National Library of Medicine. PubMed record: PMID 33567185. 2026年10月3日確認。

  3. ClinicalTrials.gov. NCT03548935: Research Study Investigating How Well Semaglutide Works in People Suffering From Overweight or Obesity (STEP 1). 2026年10月3日確認。

  4. PMDA. ウゴービ皮下注 審査報告書. STEP 1の試験設計、部分集団、有害事象を確認。2026年10月3日確認。

  5. PMDA. ウゴービ皮下注 医療用医薬品情報. 電子添文・最適使用推進ガイドラインを含む。2026年10月3日確認。

  6. 日本肥満学会. 肥満症治療薬の適正使用に関するステートメント. 2026年10月3日確認。

医薬品の効能・効果、用法・用量、安全性情報は改訂されることがあります。治療では最新の電子添文・最適使用推進ガイドラインと担当医の判断を優先してください。

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