目次▾
ヒゲ脱毛を調べていると、
- ヒゲならヤグレーザーが一番効く?
- アレキサンドライトではヒゲは抜けにくい?
- ダイオードレーザーは効果が弱い?
- 熱破壊式と蓄熱式ならどちらがいい?
- ジェントルマックスプロのある院を選べばいい?
- 痛いレーザーほど効果も高い?
といった情報を目にします。
しかし、最初に知っておきたいのは、
「すべての男性に一番効くヒゲ脱毛レーザー」は決まっていない
ということです。
医療脱毛で代表的なのは、
- アレキサンドライトレーザー:755nm
- ダイオードレーザー:約800~810nm前後
- Nd:YAG(ヤグ)レーザー:1064nm
の3種類です。
2022年の系統的レビューでは、長期追跡を行ったランダム化比較試験は5試験・223人と限られていましたが、アレキサンドライト・ダイオード・Nd:YAGのすべてで長期的な毛量減少が確認されています(PMID: 35634805)。一方で研究による結果の幅は大きく、「この波長が全員に一番優れている」と結論づけられるデータではありません。
ヒゲ脱毛では、レーザー名だけでなく、
肌色 → 毛の太さ・密度 → 残っている毛 → 使用する波長 → 出力などの照射条件 → 冷却 → 痛みへの対応
まで含めて考えることが重要です。
まず結論|ヒゲ脱毛の3種類のレーザーを比較
| アレキサンドライト | ダイオード | Nd:YAG | |
|---|---|---|---|
| 主な波長 | 755nm | 約800~810nm前後 | 1064nm |
| メラニンへの吸収 | 比較的高い | 中間 | 比較的低い |
| 深部への届きやすさ | 比較的浅め | 中間 | 比較的深部まで届きやすい |
| 黒く太い毛 | ○ | ○ | ○ |
| 色の濃い肌 | 設定に注意 | 機種・方式による | 比較的使いやすい |
| 痛み | 強いことがある | 方式により抑えやすい | 強く感じることがある |
| ヒゲへの使用 | ○ | ○ | ○ |
| 全員に一番効く? | × | × | × |
かなり単純化すると、
肌が比較的明るく、黒く太いヒゲ
アレキ・ダイオード・ヤグのいずれも候補です。
肌色が濃い
ヤグが候補になりやすいと考えられます。
痛みをなるべく抑えたい
低出力を複数回重ねるダイオード方式なども候補になります。
ただし、これはあくまで傾向です。
そもそも医療レーザー脱毛はどうやって毛を減らす?
レーザー脱毛では、主として毛に含まれるメラニンという黒い色素へレーザー光を吸収させます。
吸収された光が熱へ変わり、その熱によって毛包へダメージを与えます。
簡単にすると、
レーザーを照射 → 黒い毛が光を吸収 → 熱が発生 → 毛包周囲へ熱が伝わる → 繰り返し治療することで長期的に毛量が減る
という仕組みです。
そのため、黒く太い毛はレーザーの標的になりやすい一方、メラニンがほとんどない白髪には一般的なレーザー脱毛は効きにくくなります。
湘南美容クリニックの公式案内でも、レーザーはメラニンへ反応するため白髪には反応しないと説明されています。
「ヒゲは根が深いからヤグが一番」は本当?
ヒゲ脱毛で非常によく聞く説明です。
確かに1064nmのNd:YAGレーザーには、
- アレキサンドライトより長い波長
- 表皮メラニンへの吸収が比較的小さい
- 比較的深部まで光が届きやすい
という特徴があります。
そのため、男性の太いヒゲや色の濃い皮膚でヤグが選択されることには合理性があります。
ただし、
「ヒゲならヤグが最も高い脱毛率になる」
という意味ではありません。
男性のヒゲだけを対象として、アレキ・ダイオード・ヤグの3種類を同条件で比較した十分な規模の長期RCTは乏しいためです。
3種類を直接比較した研究ではどうだった?
75人・805回のレーザー脱毛を解析した2004年の研究では、平均毛量減少率は、
- アレキサンドライト:65.6%
- ダイオード:46.9%
- Nd:YAG:42.4%
でした。治療回数を考慮すると、アレキとダイオードの間に有意差はなく、両者はNd:YAGより高い効果を示しました(PMID: 15056137)。
ただし、この研究は男性のヒゲだけを比べた研究ではなく、ランダム化比較試験でもありません。
したがって、「アレキがヤグより必ず強い」という結論にも使えません。
ここから分かるのは、
「ヤグだから自動的に一番高い脱毛率になるわけではない」
ということです。
アレキサンドライトレーザーとは?
アレキサンドライトレーザーは755nmです。
メラニンへの吸収が比較的高く、肌が明るい+毛が黒いという組み合わせでは、毛と皮膚の色の差を利用しやすい特徴があります。
レーザー脱毛の中でも研究数が比較的多い波長です。2006年のエビデンスレビューでは、アレキサンドライトとダイオードに多くの比較試験が存在していました(PMID: 16405602)。
「アレキはヒゲに効かない」は間違い?
「効かない」とは言えません。
20人を対象にワキでアレキサンドライトとダイオードを左右比較した長期研究では、3回照射後6か月で両方に長期的な毛量減少がみられ、両レーザー間に有意差はありませんでした(PMID: 11442611)。
男性ヒゲの試験ではありませんが、755nmアレキサンドライト自体に長期減毛作用があることは支持されています。
そのため、「ヒゲだから最初からアレキは除外」と考える必要はありません。
アレキサンドライトの注意点
755nmは毛のメラニンだけでなく、皮膚の表皮メラニンにも吸収されます。
そのため、
- 日焼けしている
- 肌色が濃い
- 強い色素沈着がある
場合には、やけどや色素変化を避けるため設定調整が重要になります。
ただし、色の濃い肌=アレキは絶対使えないというわけでもありません。
Fitzpatrick IV~VIで、低出力・複数回照射の755nmアレキと高出力Nd:YAGをワキで左右比較した研究では、両方が有効・安全で、毛密度減少はアレキ側のほうが大きい結果でした(PMID: 33844620)。
つまり、波長だけではなく、どの設定・照射方法で使うかも重要ということです。
Nd:YAG(ヤグ)レーザーとは?
医療脱毛では主にロングパルスNd:YAGレーザー 1064nmが使用されます。
アレキサンドライトより波長が長く、表皮メラニンへの吸収が比較的小さいため、肌色が濃い人でも皮膚側への熱損傷を避けながら照射しやすいことが大きな特徴です。
Fitzpatrick IV~VIの150人を調査した研究でも、Nd:YAGによる脱毛は比較的安全に行われ、平均毛量減少は54.3%でした。対象部位の84.7%が顔でした(PMID: 21519944)。
肌色が濃い人ではヤグが有利?
ヤグの重要な強みです。
Fitzpatrick IV~VIの女性50人を対象に、Nd:YAGとIPLをワキで左右比較したRCTでは、5回照射の6か月後に、
- Nd:YAG:79.4%
- IPL:54.4%
の毛量減少が報告されました。Nd:YAGでは痛みや炎症反応が強かった一方、高い満足度が報告されています(PMID: 21999492)。
そのため、色の濃い皮膚ではヤグは重要な選択肢です。
ただし、先ほどのアレキとの比較研究のように、「肌が濃い=必ずヤグが最高」まで単純化することはできません。
ヤグレーザーは痛い?
ヒゲでは強い痛みを感じることがあります。
これはヤグそのものだけでなく、
- ヒゲが太い
- 毛が密集している
- 高い出力が必要になる場合がある
- 鼻下やアゴなど痛みを感じやすい
ことも関係します。
49人のワキを、低出力・高頻度810nmダイオードと高出力1064nm Nd:YAGで左右比較したRCTでは、6か月時点の毛量減少はダイオード35.7%、Nd:YAG54.2%とNd:YAGが高かった一方、痛みはダイオードのほうが有意に少ない結果でした(PMID: 21923659)。
つまり、研究条件によっては効果と痛みのトレードオフが生じる場合があるということです。
ダイオードレーザーとは?
ダイオードレーザーでは、約800~810nm前後などの波長が医療脱毛に広く用いられています。
アレキ755nmとヤグ1064nmの中間に位置する波長で、
- 高出力で1発ずつ照射
- 比較的低い出力を複数回重ねる
など、さまざまな照射方法があります。
ここで重要なのが、「ダイオード=蓄熱式」ではないという点です。
熱破壊式と蓄熱式は何が違う?
日本では脱毛機を、
- 熱破壊式
- 蓄熱式
と分けて説明することが多くあります。
かなり簡単にいうと、
熱破壊式
比較的高いエネルギーを1ショットごとに照射する方式。
蓄熱式
比較的低いエネルギーを同じ範囲へ繰り返し照射し、徐々に熱を加える方式。
と理解すると分かりやすいでしょう。
ただし、アレキ・ダイオード・ヤグ=レーザーの波長なのに対し、熱破壊式・蓄熱式=主にエネルギーの与え方なので、そもそも分類軸が違います。
「蓄熱式はバルジだけを狙う」は本当?
ここはネット上でかなり単純化されている部分です。
「熱破壊式は毛根を破壊し、蓄熱式はバルジだけを破壊する」と説明されることがあります。
しかし、実際のレーザー脱毛の作用機序はそこまで単純ではありません。
800nmダイオードと1064nm Nd:YAG照射後の毛包を免疫組織学的に調べた研究では、毛幹には熱変化がみられたものの、バルジ領域の染色性は多くの部分で保たれており、脱毛が毛包幹細胞を単純に完全破壊することで成立しているとは考えにくいと報告されています(PMID: 16908343)。
一方、低出力810nmダイオードを複数回照射した組織研究では、毛包構造の変化、毛幹の剥離、毛包周囲の浮腫などが確認されています(PMID: 19585319)。
したがって、「蓄熱式はバルジだけを狙う」と限定して説明するより、低いエネルギーを繰り返し与え、毛包へ熱作用を起こす照射方法と理解するほうが適切です。
蓄熱式は効果が弱い?
「蓄熱式だから弱い」とは言えません。
22人を対象としたランダム化左右比較では、810nmダイオードを5回照射した後、高出力1回照射と低出力複数回照射の両方で18か月後に約90~94%の毛量減少が維持されました。低出力複数回方式のほうが痛みは少ない結果でした(PMID: 21197525)。
さらに中国人女性92人の左右比較試験でも、6か月後の毛量減少は低出力・高頻度方式90.2%、高出力方式87%で大きな差はなく、痛みスコアは低出力方式2.75、高出力方式6.75と低出力方式で少なくなりました(PMID: 27419804)。
したがって、蓄熱式=効かないとは言えません。
ただし「ヒゲでも蓄熱式と熱破壊式が同じ」とまでは言えない
ここも重要です。
先ほどの長期試験の多くは、ワキ・脚・女性の顔などを対象としています。
男性の太く密集したヒゲについて、熱破壊式と低出力複数回方式を長期的に直接比較した大規模RCTは十分ではありません。
したがって、「体で同等だったから男性の濃いヒゲでも完全に同じ」とまでは言えません。
ヒゲについては、毛の太さ・密度・肌色・痛み・これまでの治療経過を見ながら選択する必要があります。
顔のダイオードレーザーでも効果はある?
あります。
女性42人の顔面多毛症を、低出力・高頻度810nmダイオードと高出力810nmダイオードで左右比較した研究では、6回照射後の毛量減少中央値は低出力方式90.5%、高出力方式85%でした。差は統計学的に有意ではなく、低出力方式のほうが痛みが少ない結果でした(PMID: 21692640)。
男性ヒゲではありませんが、顔だからダイオードが効かないという根拠もありません。
結局ヒゲにはどのレーザーを選べばいい?
ユーザー目線では、次のように整理すると分かりやすいでしょう。
比較的明るい肌+黒く太いヒゲ
アレキ・ダイオード・ヤグすべて候補です。
「ヒゲだからヤグだけ」に限定する必要はありません。
肌色が濃い
Nd:YAGを扱っているか確認するとよいでしょう。1064nmは表皮メラニンの影響を受けにくいため、有力な選択肢になります。
痛みに弱い
低出力・複数回照射方式のダイオードや麻酔の有無も確認します。
鼻下・アゴなど濃い毛が残った
ヤグへの変更も選択肢ですが、「残った毛=必ずヤグ」と決める必要はありません。
日焼けしている
レーザーの種類だけで自己判断しないことが重要です。ヤグでも、強い日焼け・炎症がある皮膚へ必ず照射できるわけではありません。
最初からヤグを選べばいい?
必ずしもそうではありません。
湘南美容クリニックは男性の顔・首ではヤグレーザーを選択できると案内しています。一方、脱毛未経験で濃い毛が多く残っている場合は、痛みの観点からヤグを積極的には勧めず、切り替え時期を医師・看護師へ相談するという運用も案内しています。
これは同院独自の運用方針であり、医学的な絶対基準ではありません。
ただし、最初から最後まで同じ波長に固定する必要はないことを理解する例として参考になります。
途中でレーザーを変えてもいい?
問題ありません。
脱毛が進むと、毛量が減る、太い毛だけ残る、部位によって減り方が違う、肌状態が変わるといった変化があります。
そのため、途中で波長や照射方法を変更することは合理的です。
ただし、「アレキ→ヤグ→ダイオードと順番に使えば必ず効果が上がる」とする十分なエビデンスはありません。
111人のRCTでは、ダイオード→アレキの順番で照射した群とアレキ単独群を比較しても、6か月後までの毛量減少に有意差はありませんでした(PMID: 22052304)。
ジェントルマックスプロとは?
「ヒゲ脱毛ならジェントルマックスプロがいい」という口コミもよく見かけます。
ジェントルマックスプロは、
- 755nm アレキサンドライト
- 1064nm Nd:YAG
という2波長を1台に搭載した機器です。
PMDAの電子添文でもGentleMaxProは「長期減毛・色素性疾患用レーザー装置」として掲載されています。
つまり、ジェントルマックスプロ=ヤグレーザーではありません。
同じ機械でアレキとヤグを使い分けられることが特徴です。
ジェントルマックスプロなら必ず効果が高い?
これも一律には言えません。
同じ機械でも、
- アレキを使うかヤグを使うか
- 出力
- パルス幅
- スポットサイズ
- 肌の冷却
- 施術間隔
で治療内容は変わります。
したがって、「機械名だけでクリニックを決める」のではなく、「ヒゲで実際に何の波長を、どう使うのか」を確認するほうが重要です。
湘南美容クリニックでは機械・波長を選べる
湘南美容クリニックでは、ジェントルレーズプロ、ジェントルマックスプロ、スプレンダーX、AvalancheLaseなどを案内しています。
希望者は脱毛機を指定でき、ジェントルマックスプロなどの2波長機では、男性の顔・首についてアレキサンドライト/YAGの波長選択も案内されています。ただし、各院で導入機器は異なります。
湘南美容クリニック自体の情報をサイト内で確認する場合は、湘南美容クリニック メンズ医療脱毛の詳細も参考にしてください。
複数の脱毛機を使い分けるクリニックもある
渋谷美容外科クリニックでは、公式情報上、複数種類の医療脱毛機を保有し、肌状態などに応じて使い分けると案内しています。
機械名だけでなく、自分のヒゲ・肌に合わせて複数の選択肢を持てるかも比較ポイントです。
レーザーの種類より「照射条件」が重要なこともある
同じレーザーでも、出力・パルス幅・スポット径・繰り返し回数などによって結果は変わります。
実際、ダイオードレーザーの比較試験では、同じ810nmでも低出力・高頻度と高出力・低頻度で痛みが大きく異なる一方、毛量減少が近い研究があります(PMID: 21197525)。
そのため、「このクリニックはヤグだから良い」ではなく、「自分の毛と肌を見て設定を変えているか」まで見るのが理想です。
ヒゲ脱毛は何回受ければいい?
どのレーザーを選んでも、通常は複数回の治療が必要です。
レーザー脱毛の比較レビューでも、繰り返し治療による長期的な減毛効果が報告されています(PMID: 16405602)。
必要回数は、元の毛量、鼻下・アゴ・頬などの部位、どこまで減らしたいか、レーザー、照射設定によって変わります。
回数については、「ヒゲ脱毛は何回で終わる?5回・10回・15回の変化と費用を比較」で詳しく解説しています。
「痛いほど効く」は本当?
痛みの強さだけで効果を判断することはできません。
低出力複数回方式のダイオードレーザーでは、高出力方式より痛みを減らしながら長期的な減毛を維持したRCTがあります(PMID: 21197525)。
痛みは、毛量・毛の太さ・波長・出力・冷却・部位でも変わります。
したがって、痛い=効果が高い、痛くない=効いていないとは判断できません。
ヒゲ脱毛が痛い場合は麻酔も比較する
ヒゲは毛が太く密集するため、痛みが問題になりやすい部位です。
クリニックによって、麻酔クリームや笑気麻酔などの選択肢があります。
痛みに不安がある場合は、レーザーの種類だけでなく、麻酔料金まで含めた総額を確認しましょう。
詳しい料金比較は、ヒゲ脱毛の回数・料金比較をご覧ください。
ヒゲ脱毛で起こり得る副作用
レーザー脱毛後には一時的に、
- 赤み
- 毛穴周囲の腫れ
- ヒリヒリ感
- 熱感
などが生じます。
また、頻度は低いものの、
- 熱傷
- 水疱
- 色素沈着
- 色素脱失
- 毛嚢炎
- 硬毛化・増毛化
- 瘢痕
などが起こる可能性があります。
レーザー名だけでは安全性は決まりません。
顔・首では「硬毛化・増毛化」に注意
レーザー脱毛後に、照射した部分やその周囲の毛が逆に太く・濃く見えることがあります。
「硬毛化」「増毛化」「逆説的多毛症」などと呼ばれる現象です。
2021年の系統的レビュー・メタ解析では、22研究・9733人を解析し、全体の推定発生率は約3%でした。ただし研究間のばらつきは非常に大きく、**顔・首との関連が強く、顔・首以外では0.08%**でした。また、この解析ではレーザーの種類そのものと硬毛化発生率との明確な関連は確認されませんでした(PMID: 34057666)。
つまり、「蓄熱式だから硬毛化する」「ヤグなら硬毛化しない」と単純には言えません。
特に頬・フェイスライン・首にある細い毛まで広く照射する場合は、事前に説明を受けておくとよいでしょう。
ヒゲ剃りでブツブツができる人にはレーザー脱毛が役立つこともある
ヒゲ剃り後に毛が皮膚へ入り込み、赤いブツブツ・膿疱・色素沈着などを繰り返す状態を**偽毛包炎(pseudofolliculitis barbae)**といいます。
男性20人の研究では、ロングパルスNd:YAGによって偽毛包炎の丘疹・膿疱が化学ピーリングより有意に減少しました(PMID: 33559240)。
また、色の濃い肌を対象とした研究でも、1064nm Nd:YAGによって髭剃り後の炎症性丘疹が減少しています(PMID: 12408693)。
そのため、ヒゲ脱毛は美容目的だけでなく、繰り返すカミソリ負け・偽毛包炎を改善する目的で検討されることもあります。
白髪のヒゲには何を選ぶ?
アレキ・ダイオード・ヤグのどれも、基本的には毛のメラニンを利用します。
そのため、白髪には十分な効果を期待しにくくなります。白髪が残った場合は、ニードル脱毛が選択肢になります。
「将来白髪になってから脱毛すればいい」と考えている人は、黒い毛が多いうちのほうがレーザー脱毛の対象になりやすいことは知っておいてよいでしょう。
レーザー選びより先に「何回・いくら」を考えるのも大切
ヒゲ脱毛では、「どのレーザーが最強か」に注目しすぎて、総額を見落とすことがあります。
例えば「機械Aなら10回必要、機械Bなら8回で済む」と事前に正確に予測することはできません。
そのため、5~6回の料金、10回程度受けた場合の総額、麻酔代、頬・首の追加料金、コース終了後の追加照射まで考える必要があります。
詳しくは、「ヒゲ脱毛は何回で終わる?5回・10回・15回の変化と費用を比較」をご覧ください。
ヒゲ脱毛クリニックを選ぶときのチェックリスト
レーザーを重視するなら、次の8項目を確認するとよいでしょう。
- どの波長を使用できる?
- ヒゲでは実際に何を使う?
- 途中でレーザーを変更できる?
- 機械を指定できる?
- 肌色が濃い場合はどうする?
- 麻酔は使える?
- 硬毛化・やけどへの対応は?
- 最終的に何回・いくらになりそう?
レーザー名だけでなく、実際の運用と総額まで確認しましょう。
「おすすめレーザー」より自分の優先順位を考える
とにかく費用を抑えたい
機械を自分で選びたい
→
複数の機械から選びたい
→
どのクリニックが合うのか分からない
医療脱毛クリニック全体を比較したい
まとめ|ヒゲ脱毛は「ヤグ一択」ではない
ヒゲ脱毛で代表的に使われるレーザーは、
- アレキサンドライト755nm
- ダイオード約800~810nm前後
- Nd:YAG 1064nm
です。
3種類すべてに長期的な減毛効果を支持する研究があります(PMID: 35634805)。
それぞれを簡単にまとめると、
アレキサンドライト
黒い毛へ反応させやすく、研究実績が豊富
ダイオード
照射方法の選択肢が多く、低出力複数回方式では痛みを抑えやすい
Nd:YAG
肌色が濃い場合にも使いやすく、男性の顔・首でも重要な選択肢
です。
ただし、
- ヤグ=ヒゲ最強
- アレキ=ヒゲには弱い
- ダイオード=効果が弱い
- 蓄熱式=バルジだけを破壊する
- 痛い=効果が高い
- ジェントルマックスプロ=必ず一番効く
という理解はいずれも単純化しすぎです。
ヒゲ脱毛では、
肌色 → 毛の太さ・密度 → レーザー → 照射方法・設定 → 痛み → 回数 → 総額
まで含めて選びましょう。
レーザーを理解したら、次に「ヒゲ脱毛は何回で終わる?5回・10回・15回の変化と費用を比較」で、実際の回数と料金を比較すると分かりやすいでしょう。
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よくある質問
ヒゲ脱毛はヤグレーザーが一番いいですか?
一律には言えません。ヤグは色の濃い肌や男性の顔・首で重要な選択肢ですが、アレキやダイオードにも長期減毛効果を支持する研究があります。
アレキサンドライトはヒゲに効きませんか?
「効かない」とする根拠はありません。755nmアレキサンドライトには長期的な減毛効果を示す比較研究があります(PMID: 11442611)。
ダイオードはヒゲに弱いですか?
一律には言えません。顔を対象とした比較試験でも810nmダイオードによる大きな毛量減少が報告されています(PMID: 21692640)。
ヤグレーザーはなぜヒゲに使われるのですか?
1064nmで表皮メラニンへの吸収が比較的小さく、色の濃い皮膚や深部への照射を考える際に使いやすいためです。
ヤグは痛いですか?
強く感じることがあります。低出力ダイオードとの直接比較でもNd:YAG側の痛みが強かった研究があります(PMID: 21923659)。
一番痛くないレーザーは?
レーザーの名前だけでは決まりません。低出力・高頻度ダイオードは、高出力方式より痛みが少ないことが複数の比較試験で示されています。
熱破壊式と蓄熱式はどちらが効きますか?
一律に優劣は決められません。同じ810nmダイオードでも、低出力複数回方式と高出力1回方式で長期的な毛量減少が近かったRCTがあります(PMID: 21197525)。
蓄熱式はバルジだけを破壊しますか?
そのように単純化するのは正確ではありません。組織研究では、レーザー脱毛後もバルジ領域の幹細胞が単純に完全破壊されるわけではないことが示されています(PMID: 16908343)。
ジェントルマックスプロとは?
755nmアレキサンドライトと1064nm Nd:YAGの2波長を搭載した医療レーザー機です。
ジェントルマックスプロなら一番効きますか?
機械名だけでは決まりません。どちらの波長を使用するか、出力、パルス幅、冷却などでも変わります。
日焼け肌ならヤグなら必ず照射できますか?
必ずではありません。ヤグは濃い肌で使いやすい特徴がありますが、強い日焼けや炎症があれば照射を延期する場合があります。
レーザーは途中で変えたほうがいいですか?
必要に応じて変更できます。ただし、複数レーザーを順番に使えば必ず単独レーザーより効果が高くなるという根拠はありません(PMID: 22052304)。
白髪のヒゲにも効きますか?
一般的な医療レーザーは白髪には反応しにくく、ニードル脱毛が選択肢になる場合があります。
ヒゲ脱毛で硬毛化することはありますか?
あります。特に顔・首との関連が報告されています。ただし発生率は研究によるばらつきが大きく、特定のレーザーだけが原因とは言えません(PMID: 34057666)。
カミソリ負けにも効果がありますか?
埋没毛による偽毛包炎では、Nd:YAGレーザーによるヒゲ脱毛で炎症性病変が減った研究があります(PMID: 33559240)。
ヒゲ脱毛は何回必要ですか?
毛量や目標によって異なります。詳しくはヒゲ脱毛の回数・料金比較記事で解説しています。
参考文献
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- Haedersdal M, Wulf HC. Evidence-based review of hair removal using lasers and light sources. PMID: 16405602.
- Bouzari N, et al. Laser hair removal: comparison of long-pulsed Nd:YAG, long-pulsed alexandrite, and long-pulsed diode lasers. PMID: 15056137.
- Handrick C, Alster TS. Comparison of long-pulsed diode and long-pulsed alexandrite lasers for hair removal. PMID: 11442611.
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- Wanitphakdeedecha R, et al. Low fluence high repetition 810nm diode vs high fluence 1064nm Nd:YAG. PMID: 21923659.
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- Amer A, et al. Long-pulse Nd:YAG laser in pseudofolliculitis barbae. PMID: 33559240.
- Treatment of pseudofolliculitis barbae in very dark skin with long-pulse Nd:YAG. PMID: 12408693.
- PMDA電子添文「長期減毛・色素性疾患用レーザー装置GentleMaxPro」.
- 湘南美容クリニック公式「ヒゲ脱毛」.
- 渋谷美容外科クリニック公式「メンズ医療脱毛・医療脱毛機器」.
医療情報に関する注意
本記事は、男性のヒゲに対する医療レーザー脱毛について一般的な医療情報を提供することを目的としています。
適切なレーザー・照射設定は、肌色、日焼け、毛の太さ、毛量、部位、これまでの脱毛歴、皮膚状態、使用薬などによって異なります。
医療脱毛では、赤み、腫れ、痛み、毛嚢炎、熱傷、色素沈着、色素脱失、硬毛化などが起こる可能性があります。
また、「ヤグ」「アレキ」「ダイオード」「熱破壊式」「蓄熱式」「ジェントルマックスプロ」といった名称だけで、治療効果・安全性・医療機関の技術力の優劣が決まるものではありません。
実際に施術を検討するときは、医師の診察を受け、自分の肌質・毛質に合った治療方法について説明を受けてください。
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