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男性のニキビ跡にサブシジョンは効く?ローリング型クレーターの適応・効果・ダウンタイムを解説

ローリング型のニキビ跡に使われるサブシジョンについて、向いている瘢痕、効果、カニューレと針、RF・CO2レーザー・フィラーとの併用、ダウンタイムを研究から解説します。

メンズ美容皮膚科医師による医療情報レビュー済み公開日: 2026年9月16日更新日: 2026年9月16日公式情報確認日: 2026年9月16日
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目次

頬のニキビ跡が、正面ではそれほど目立たないのに横から光が当たると大きくへこんで見える。皮膚を横に軽く伸ばすと凹みが浅く見える。ダーマペンやレーザーを何度か受けても、同じ場所だけ影が残る――こうした「皮膚の下で引き込まれているタイプ」のニキビ跡では、サブシジョンが検討されることがあります。

サブシジョンは、へこんだ瘢痕の下にある線維性の癒着を物理的に解放し、皮膚が下へ引っ張られる力を弱める治療です。特にローリング型の萎縮性ニキビ跡で使われることが多く、マイクロニードリングやRFマイクロニードル、フラクショナルCO2レーザーとは治療の狙いが異なります。[2]

ただし、「クレーターなら全部サブシジョン」「1回で凹みが消える」という治療ではありません。アイスピック型のように細く深い瘢痕、境界が鋭いボックスカー型、赤みや色素沈着だけが残っている状態では、別の治療が中心になることがあります。活動性のニキビが続いている場合には、新しい瘢痕を増やさないためのニキビ治療も重要です。日本皮膚科学会のガイドラインでも、軽症のニキビでも瘢痕を残し得るため、早期治療と炎症軽快後の維持療法が重視されています。[1]

この記事では、男性のニキビ跡に対するサブシジョンについて、向いている瘢痕の形、研究で分かっている効果、カニューレと針の違い、ダーマペン・RF・フラクショナルCO2との使い分け、併用治療、ダウンタイム、受診時の確認点を整理します。

先に結論|サブシジョンは「下から引っ張られる凹み」を狙う治療

サブシジョンの位置づけを先にまとめると、次のようになります。

確認したいことサブシジョンの考え方
主な標的皮下の線維性癒着で引き込まれた萎縮性瘢痕
向きやすい形ローリング型、皮膚を伸ばすと浅く見える一部の凹み
単独では向きにくい形細く深いアイスピック型、色だけの赤み・色素沈着
作用の中心癒着の解放と、その後の創傷治癒
ダーマペンとの違い面として微小損傷を作る治療ではなく、癒着を直接解放する
RFとの違い熱エネルギーを主目的にする治療ではない
CO2レーザーとの違い表面からのリサーフェシングではなく、皮下の牽引を狙う
回数1回で十分とは限らず、瘢痕の数・深さ・再癒着などで変わる
主なダウンタイム腫れ、内出血、圧痛など
主な注意点血腫、感染、色素変化、瘢痕悪化などの可能性を事前確認
併用RFマイクロニードル、フラクショナルCO2、フィラー等との併用研究あり
エビデンスの限界小規模試験やsplit-face試験が多く、方法・評価指標が統一されていない

2022年の臨床試験レビューでは、サブシジョン単独または他治療との併用を扱った16報が整理され、萎縮性ニキビ跡の治療選択肢として一定の有効性が示される一方、治療法や併用法のばらつきも大きいことが分かります。[2]

2026年のネットワークメタ解析では、レーザー、マイクロニードリング、RF、サブシジョン、フィラーなどを含む56件のRCT・1,488人が解析され、単独療法より併用療法が良好な結果を示す傾向が報告されました。特にフラクショナルCO2レーザー+サブシジョンは、一部の瘢痕評価や患者満足度で上位に位置しました。ただし、ネットワークメタ解析の順位は「すべての人にその組み合わせが最適」という意味ではありません。[7]

サブシジョンとは?

サブシジョンは、英語のsubcutaneous incisionに由来する治療で、へこんだ瘢痕の下にある線維性の組織を解放する目的で行われます。

萎縮性ニキビ跡では、炎症で真皮や皮下組織が傷ついたあと、治癒の過程で線維化が起こり、皮膚が下方へ固定されることがあります。そのため、皮膚表面だけを削ったり刺激したりしても、下から引く力が残っていると凹みが十分に浅くならないことがあります。

サブシジョンでは、瘢痕の下の癒着を解放することで、皮膚の可動性を取り戻し、凹みを持ち上げやすくすることを狙います。さらに処置後の出血・創傷治癒に伴って新しい結合組織が形成され、凹みの改善に寄与する可能性があります。[2]

ここで重要なのは、サブシジョンは「皮膚を削る治療」ではないことです。フラクショナルCO2レーザーは表面から微細な熱損傷を作り、マイクロニードリングは多数の微細な穿刺を行います。RFマイクロニードルは針を通して熱エネルギーを加えます。サブシジョンはこれらと異なり、瘢痕を下から固定している構造を狙います。

どのニキビ跡に向いている?

ローリング型

最も典型的な適応はローリング型です。

ローリング型は、境界が鋭く切れ込むというより、なだらかに波打つような凹みとして見えます。斜めから光が当たると影が強調され、皮膚を横方向へ伸ばすと凹みが浅く見えることがあります。

このタイプでは、表面の凹凸だけでなく皮下の癒着が見た目に関与しているため、サブシジョンの考え方と合います。2024年のsplit-face RCTでも、サブシジョン単独・サブシジョン+ヒアルロン酸系製剤の両方で、ローリング型が最も良好な反応を示したと報告されています。[5]

ボックスカー型

ボックスカー型は、比較的はっきりした縁を持つ円形〜楕円形の凹みです。浅いものと深いものがあり、底部が癒着している場合にはサブシジョンを組み合わせることがあります。

一方、境界の鋭さや深さが主な問題で、皮下の牽引が強くない場合は、フラクショナルレーザーなど別の治療が中心になることがあります。したがって「ボックスカー=サブシジョン」と一律には決められません。

アイスピック型

アイスピック型は、細く深い穴のように見える瘢痕です。サブシジョンは皮下の広い癒着を解放する治療なので、細く深い瘢痕の形そのものを変える治療としては効率がよくないことがあります。

アイスピック型では、局所的な化学処置や切除・パンチ系治療など、別の方法が検討されることがあります。どの方法が適するかは、瘢痕の深さ・数・部位・肌色などで変わります。

赤みや茶色い跡だけの場合

赤みや炎症後色素沈着だけで皮膚表面が平らなら、サブシジョンの対象ではありません。

赤みは血管や炎症後紅斑、茶色い跡はメラニンによる炎症後色素沈着が中心で、凹みの癒着とは仕組みが異なります。色だけの問題に皮下剥離を行っても、治療目的が一致しません。

ニキビ跡の「凹み・赤み・色素沈着・盛り上がり」の見分け方は、男性のニキビ跡は治療できる?クレーター・赤み・色素沈着の見分け方で詳しく整理しています。

「皮膚を伸ばすと浅くなるか」はなぜ見る?

診察では、凹みの形だけでなく、皮膚を軽く伸ばしたときに形がどう変わるかが参考になります。

皮膚を伸ばすと浅く見える凹みは、皮下の癒着や皮膚の可動性が関係している可能性があります。反対に、伸ばしても深い穴がほとんど変わらない場合は、表面形状や真皮欠損の要素が強く、サブシジョン以外の治療が必要なことがあります。

ただし、自分で強く引っ張って「これはサブシジョン適応」と判断するためのテストではありません。実際には、照明、表情、皮膚の厚み、瘢痕の深さ、過去の治療歴なども含めて診察します。

男性のニキビ跡で注意したいこと

ひげのある部位は、毛包炎・剃毛刺激と区別する

男性では頬・顎・首にひげがあり、ニキビだけでなく毛包炎や埋没毛、ひげ剃りによる炎症が混在することがあります。

赤いブツブツが残っている状態をすべて「ニキビ跡」と考えて瘢痕治療を進めると、活動性の炎症を見落とす可能性があります。現在も新しい炎症性皮疹が出ているなら、まず活動性ニキビや毛包炎の評価が必要です。

男性のカミソリ負け・埋没毛はどう治す?では、偽毛包炎との見分け方を解説しています。

ニキビが続いているなら、跡治療だけを先行しない

日本皮膚科学会のガイドラインは、軽症のニキビでも瘢痕を残し得ること、早期治療が瘢痕予防につながることを示しています。[1]

サブシジョンで過去の凹みを治療しても、新しい炎症性ニキビが続けば新しい瘢痕が増える可能性があります。ニキビ跡治療と同時に、アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬などの標準治療が必要かを確認することが重要です。

現在のニキビ治療については、男性のニキビ治療ガイドを参考にしてください。

研究ではどれくらい効いている?

サブシジョンの研究はありますが、評価方法が統一されていないため、「平均○%改善」と一つの数字にまとめるのは適切ではありません。

臨床試験レビューでは16報を整理

2022年のレビューでは、サブシジョン単独、カニューレと針の比較、フィラー・PRP・吸引・マイクロニードリング・RFとの併用など、16報の臨床試験が整理されました。[2]

レビューの結論は、サブシジョンは萎縮性ニキビ跡に対して有効で安全な選択肢になり得る一方、処置法の改良や併用治療で副作用や再陥凹を減らせる可能性がある、というものでした。

ただし、含まれる研究は規模が小さく、評価尺度、瘢痕タイプ、施術回数、追跡期間、併用療法がばらばらです。したがって、個々の研究結果をそのまま自分の改善率として受け取るべきではありません。

カニューレと針を比較した100人の試験

2020年に掲載された無作為化試験では、ローリング型ニキビ跡の100人を対象に、18Gカニューレを用いる方法と27G針を用いる方法が比較されました。[3]

この研究では、盲検化された皮膚科医の評価で、カニューレ群の約83%がgoodまたはvery goodの改善と評価され、針群との反応率に有意差があったと報告されています。[3]

ただし、この結果を「18Gカニューレが標準で、27G針より必ず優れる」と一般化することはできません。器具の太さや進め方は施術者が決める医療行為であり、瘢痕の位置・範囲・皮膚の厚さなどによって適切な方法は変わります。

RFマイクロニードルを組み合わせた試験

2017年のsplit-face RCTでは、25人の中等度〜重度の萎縮性ニキビ跡を対象に、一側へサブシジョンを行った後、両側へfractionated microneedle radiofrequencyを行いました。[4]

盲検化された皮膚科医の評価では、RF単独側よりもサブシジョン+RF側で有意に良好な改善が報告されました(P=0.009)。[4]

これは、皮下の癒着を解放する治療と、真皮へ熱刺激を与える治療を組み合わせる考え方を支持するデータです。ただし、25人という小規模試験であり、すべての瘢痕タイプやすべてのRF機器へ一般化はできません。

RFマイクロニードリングの基本は、男性のダーマペン・マイクロニードリングガイドで解説しています。

フィラーを追加しても客観評価で差が出なかった試験もある

2024年のsplit-face RCTでは、12人の両側性萎縮性ニキビ跡に対し、サブシジョン単独と、サブシジョン+ヒアルロン酸系製剤が比較されました。[5]

患者満足度は併用側で高かった一方、総合的な瘢痕減少や超音波で測定した瘢痕深度の減少には有意差がありませんでした。最も良好な反応は両群ともローリング型で見られました。[5]

この研究から分かるのは、フィラーを加えれば必ず客観的な瘢痕改善が上乗せされるとは限らないという点です。また、研究で使われた製剤や注入法を、日本国内のすべての美容医療へそのまま当てはめることもできません。

2026年の吸引併用RCTでは、客観評価の差は明確でなかった

2026年の27人を対象としたrandomized split-face trialでは、両側にカニューレによるサブシジョンを行い、片側だけ10回の吸引処置を追加しました。[6]

両側とも時間経過で瘢痕評価は改善しました。客観的な瘢痕評価では両側の明確な差は検出されませんでしたが、医師・患者による主観的な改善評価は吸引側で有意に高い結果でした。[6]

吸引を追加すれば必ず長期結果が良くなると断定できる研究ではありませんが、再癒着を防ぐ工夫について検討が続いていることを示しています。

フラクショナルCO2レーザーとの違い

フラクショナルCO2レーザーは、皮膚表面から点状の熱損傷を作り、表皮〜真皮のリモデリングを促す治療です。

サブシジョンが「下から引いている線維性癒着を解放する」治療なのに対し、フラクショナルCO2レーザーは「表面から真皮へ熱刺激を与えて再構築を促す」治療です。

2026年の56件RCT・1,488人を含むネットワークメタ解析では、フラクショナルCO2+サブシジョンがGoodman-Baron scoreの改善や患者満足度で上位に位置しました。[7]

ただし、ネットワークメタ解析の順位は、直接比較だけでなく間接比較も含む統計的な結果です。瘢痕タイプ、肌色、出力、追跡期間などが異なるため、「CO2+サブシジョンが全員の第一選択」という意味ではありません。

フラクショナルCO2とRFマイクロニードルの比較については、17研究・1,068人のメタ解析で詳しく解説しています。

ダーマペン・通常のマイクロニードリングとの違い

通常のマイクロニードリングは、細い針で多数の微細な穴を作り、創傷治癒に伴うコラーゲン再構築を狙う治療です。

ローリング型の一部ではマイクロニードリングでも改善が期待できますが、強い癒着が残っていると、面として針刺激を加えるだけでは凹みの牽引が十分に解放されないことがあります。

この場合、「ダーマペンが効かなかった=ニキビ跡治療が効かない」ではなく、瘢痕の構造と治療の狙いが合っていたかを見直すことが重要です。

一方、浅い凹凸が広く存在する場合には、サブシジョンだけよりマイクロニードリングなどの面治療を組み合わせた方が合理的な場合があります。

RFマイクロニードルとの違い

RFマイクロニードルでは、針を介して真皮へ高周波エネルギーを与えます。針刺激だけでなく熱作用も加わる点が通常のマイクロニードリングとの違いです。

サブシジョンは熱を加えることが目的ではなく、物理的な癒着解放が中心です。そのため「ポテンツァかサブシジョンか」という二者択一より、

  • 強い牽引があるローリング型には癒着解放
  • 広い浅い凹凸には真皮リモデリング
  • 両方があるなら併用を検討

というように、瘢痕の構造ごとに役割を分けて考える方が実用的です。

ヒアルロン酸などのフィラーを併用する意味

サブシジョン後のスペースを維持し、再陥凹を減らす目的で、フィラーを組み合わせる方法があります。

理屈としては、癒着を切ったあとにボリュームを補うことで凹みを持ち上げ、再び皮膚が下へ固定されるのを防ぐことを狙います。

ただし、2024年の小規模RCTでは患者満足度の差は見られたものの、客観的な瘢痕減少や超音波上の深さでは有意差がありませんでした。[5]

また、フィラーには血管塞栓など注入治療固有のリスクがあります。ニキビ跡の凹みだからといって、全員にフィラー追加が必要なわけではありません。使用製剤、注入層、部位、既往歴を含めて医師から説明を受ける必要があります。

サブシジョンの施術はどう進む?

実際の手順や使用器具は医療機関・瘢痕の状態で異なりますが、一般的には次のような流れです。

  1. 凹みの形、癒着、肌色、活動性ニキビを診察する
  2. 治療範囲と麻酔方法を確認する
  3. 皮膚の小さな入口から器具を皮下へ進める
  4. 癒着している線維性組織を解放する
  5. 出血や腫れを確認し、必要に応じて圧迫等を行う
  6. 治療後の経過、洗顔・運動・飲酒・日焼け対策などの指示を確認する

器具には針や鈍的カニューレなどが使われます。研究では器具の違いを比較した試験もありますが、患者側が「太い針の方が効く」「カニューレなら安全」と自己判断して指定するものではありません。

大事なのは、どの瘢痕を、なぜサブシジョンで治療するのかを施術前に共有することです。

ダウンタイムは?

サブシジョンでは皮下組織を処置するため、レーザーのように表面の赤みだけでなく、内出血や腫れが出ることがあります。

一般に確認しておきたい症状は、

  • 腫れ
  • 内出血
  • 圧痛
  • 一時的な硬さ
  • 点状の出血や針跡
  • 色素沈着
  • 血腫
  • 感染

などです。

2020年のカニューレと針の比較試験では、カニューレ群で副作用が少ない傾向が報告されました。[3] 2020年のRF-assisted subcisionと通常サブシジョンのsplit-face試験では、通常サブシジョン側で持続する血腫が1例報告されています。一方、RF側では入口部の小さな熱傷が2例ありました。[2]

これらは「サブシジョンは危険」という意味ではありませんが、内出血だけを想定して契約するのではなく、血腫や感染などの説明も受けておくことが大切です。

仕事は何日休むべき?

必要な休みは、治療範囲、内出血の出やすさ、職種、マスクで隠せる部位かどうかで変わります。

デスクワークであれば早期に復帰できる人もいますが、広範囲に内出血が出ると見た目が気になる期間が長くなることがあります。対面業務や撮影予定がある場合は、「平均何日」だけでなく、その院での腫れ・内出血の実例や、悪化時の連絡先を確認してください。

ヒゲ剃りについても、処置部位へ刺激を与えないよう、再開時期を施術院の指示に従う必要があります。

何回受ければよい?

サブシジョンは1回で変化が見えることもありますが、1回で完成すると保証できる治療ではありません。

必要回数に影響するのは、

  • 癒着の強さ
  • ローリング型の数と範囲
  • ボックスカー型など他タイプの混在
  • 過去のレーザー・ダーマペン歴
  • 再癒着
  • 肌の治癒反応
  • 併用治療の有無

などです。

研究でも単回治療、複数回治療、併用治療が混在しており、標準回数を一つに決められるデータではありません。[2]

初回から長期コースを前提にするより、「まず何を改善指標にするか」「どの時点で写真評価するか」「変化が乏しければ何を見直すか」を確認する方が合理的です。

効果判定はいつする?

治療直後は腫れや出血で一時的に凹みが浅く見えることがあります。そのため、直後の写真だけで最終結果を判断するのは適切ではありません。

研究では1か月、3か月、4か月など複数の時点で評価されています。[5][6] 創傷治癒やコラーゲン再構築には時間がかかるため、施術直後の見た目と、数か月後の安定した状態を分けて評価する必要があります。

写真を比較するときは、照明、角度、表情、カメラ距離が違うだけでも凹みの影が大きく変わります。可能であれば同条件で撮影した写真で比較する方が、変化を判断しやすくなります。

サブシジョンを受ける前に確認したいこと

カウンセリングでは、機器名や料金だけでなく、次を確認すると治療の意図が分かりやすくなります。

1. 自分の瘢痕タイプ

「ローリング型が主体なのか」「ボックスカーやアイスピックも混じるのか」を聞きます。

2. サブシジョンで狙う部位

顔全体を一律に処置するのか、癒着が強い部分だけを狙うのかを確認します。

3. 単独か併用か

RFマイクロニードル、フラクショナルCO2、フィラーなどを組み合わせる理由を確認します。併用が多いほど良いわけではありません。

4. 何で効果を判定するか

写真、瘢痕スコア、本人の満足度など、どの指標で次回方針を決めるのかを聞きます。

5. ダウンタイムと合併症

内出血や腫れだけでなく、血腫、感染、色素変化などが起きた場合の連絡先も確認します。

6. 料金に含まれるもの

自由診療では、麻酔、薬、処置範囲、併用施術、再診などが別料金の場合があります。総額で比較してください。

「安いサブシジョン」を探す前に、治療範囲をそろえる

サブシジョンは自由診療として行われることが多く、料金設定は医療機関ごとに異なります。

比較するときに注意したいのは、同じ「1回」の表示でも、

  • 1か所
  • 片頬
  • 両頬
  • 全顔
  • 面積制
  • 麻酔込み
  • フィラー込み
  • RFやレーザー併用

など条件が違うことです。

料金だけを横並びにする前に、どの範囲を、何の目的で、何を含めて治療する料金なのかを確認してください。

男性専門クリニックで相談する場合

男性では、ニキビ跡に加えて活動性ニキビ、皮脂、ひげ剃り、毛包炎などが同時に問題になることがあります。そのため、凹みだけを単独で見るのではなく、現在の炎症も含めて診察してもらうことが大切です。

ゴリラクリニックは公式サイトで男性のニキビ・ニキビ跡治療を案内し、凹み・赤みなど症状に応じた複数の施術を掲載しています。[8] 施術メニューや対応院は変更される可能性があるため、サブシジョンを含め希望する治療が現在受けられるかは、受診前に公式情報で確認してください。

自宅で針を刺して代用できる?

サブシジョンを自分で行うのは避けてください。

サブシジョンは皮下へ器具を入れ、出血や血腫、感染などのリスクを伴う医療行為です。自宅のダーマローラーや針で皮膚の下の癒着を切ろうとすると、瘢痕悪化、感染、血管・神経損傷などにつながる可能性があります。

市販の美容器具と、医療機関で行うサブシジョンは同じものではありません。

サブシジョンで「ニキビ跡が悪化した」と感じることはある?

治療後の腫れや内出血がある間は、見た目が一時的に悪化したように感じることがあります。

また、瘢痕の一部が改善すると、隣の深い瘢痕が相対的に目立つことがあります。反対に、血腫や感染、強い色素沈着などが起きれば、単なるダウンタイムではありません。

痛みや腫れが強くなる、熱感や膿が出る、急速に腫れが広がる、皮膚色の異常が強いなど、施術院から説明された通常経過と違う場合は、自己判断で待たずに施術した医療機関へ連絡してください。

サブシジョンとCO2レーザー、どちらを先にする?

一律の順番はありません。

強い癒着があるローリング型では、先に牽引を解放してから表面の凹凸を整えるという考え方があります。一方、浅いボックスカー型が主体なら、フラクショナル治療を中心に考えることもあります。

2026年のネットワークメタ解析でCO2レーザー+サブシジョンが良好な順位を示したことは、併用の合理性を支持する一つの材料です。[7] ただし、順位だけで施術順を決めることはできません。

フラクショナルCO2とRFマイクロニードルの比較も参考にしてください。

サブシジョンとポテンツァ、どちらがよい?

「どちらが上」というより、治療目標が違います。

サブシジョンは癒着の解放が中心です。RFマイクロニードルは針と熱で真皮の再構築を狙います。

ローリング型で強い牽引があればサブシジョンの役割が大きく、広い浅い凹凸や毛穴感も含めて治療したい場合はRFの役割が大きくなることがあります。両方の要素があると、併用が提案されることもあります。

ただし、ポテンツァなど特定機種の名前だけで適応は決まりません。使用チップや設定、施術範囲、治療目的を確認してください。

よくある質問

Q. サブシジョンはどのニキビ跡に一番向いていますか?

皮下の線維性癒着で引き込まれているローリング型が代表的です。2024年の小規模RCTでも、サブシジョン単独・フィラー併用の両方でローリング型が良好な反応を示しました。[5]

Q. アイスピック型にも効きますか?

主な適応ではありません。細く深いアイスピック型では、局所的な別治療が検討されることがあります。複数タイプが混在している場合は、瘢痕ごとに治療を組み合わせます。

Q. 1回で治りますか?

1回で変化することはありますが、完成を保証できません。研究でも単回・複数回・併用療法が混在しており、標準回数を一つに決めることはできません。[2]

Q. カニューレと針はどちらがよいですか?

100人のRCTではカニューレ群で良好な反応と副作用の少なさが報告されましたが、器具の選択は瘢痕の位置・範囲や施術者の判断で変わります。[3] 患者側がゲージ数だけで選ぶのは適切ではありません。

Q. ダーマペンを受けて効果が乏しかったらサブシジョンですか?

必ずではありません。まず、残っている凹みがローリング型か、強い癒着があるか、活動性ニキビが残っていないかを評価します。ダーマペンとサブシジョンは作用点が異なるため、適応が違えば治療を変える意味があります。

Q. サブシジョンとポテンツァは同日にできますか?

併用治療は研究されていますが、同日に行うか時期を分けるかは、治療範囲、出血、腫れ、熱刺激などを考慮して医師が判断します。患者が一律に同日施術を希望するのではなく、併用理由と安全性の説明を受けてください。

Q. ヒアルロン酸を入れた方が効果は高いですか?

2024年の12人split-face RCTでは満足度は併用側で高かった一方、客観的な瘢痕減少や超音波上の深さに有意差はありませんでした。[5] フィラー追加が全員に必要という根拠にはなりません。

Q. 吸引をした方が再癒着しにくいですか?

2026年の27人RCTでは、客観的指標で明確な群間差はなく、主観的な改善評価は吸引併用側で高い結果でした。[6] 長期的に必ず再癒着を防げると断定できるデータではありません。

Q. ダウンタイムは内出血だけですか?

内出血、腫れ、圧痛などが一般的に想定されますが、血腫、感染、色素変化なども説明を受けておくべきです。広範囲処置では見た目のダウンタイムも長くなる可能性があります。

Q. ニキビがまだある状態でも受けられますか?

活動性ニキビが多い場合は、まず新しい炎症を抑える治療が優先されることがあります。ニキビ治療を先行・併用することで、新しい瘢痕を増やさないことが重要です。[1]

Q. 男性は女性よりサブシジョンが効きますか?

男性の方が優れて効くとする十分な比較データはありません。男性ではひげ・皮脂・毛包炎・剃毛刺激が混在しやすいため、診断時にそれらを区別することが実務的に重要です。

まとめ|「クレーター治療」ではなく、癒着があるかで考える

サブシジョンは、萎縮性ニキビ跡の中でも、皮下の線維性癒着により引き込まれたローリング型を中心に検討される治療です。

研究では、サブシジョン単独での改善、カニューレを用いた方法、RFマイクロニードル・フィラー・吸引などとの併用が検討されています。[2]-[6] 2026年のネットワークメタ解析でも、フラクショナルCO2レーザー+サブシジョンなどの併用療法が良好な結果を示していますが、試験規模や治療条件の違いが大きく、「この組み合わせが全員の最適解」とは言えません。[7]

治療を選ぶときは、

  • ローリング型・ボックスカー型・アイスピック型のどれが主体か
  • 皮下の癒着が強いか
  • 活動性ニキビが残っていないか
  • 赤みや色素沈着が主な悩みではないか
  • サブシジョン単独で狙うのか、RFやCO2を組み合わせるのか
  • 内出血・腫れ・血腫などのダウンタイムを許容できるか
  • 何を指標に効果判定するか

を確認することが重要です。

「ダーマペンより強い治療」「ポテンツァより上位の治療」という序列ではなく、凹みを作っている構造に治療を合わせると考えると、サブシジョンの役割が分かりやすくなります。

参考文献・確認資料

  1. 日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023. 日皮会誌. 2023;133(3):407-450. ガイドライン.

  2. Barikbin B, et al. Subcision in acne scarring: A review of clinical trials. J Cosmet Dermatol. 2023. PMID: 36315903. PubMed.

  3. Nilforoushzadeh MA, Lotfi E, Heidari-Kharaji M, et al. Comparing cannula-based subcision with the common needle method: A clinical trial. Skin Res Technol. 2020;26(1):39-44. DOI: 10.1111/srt.12761. PMID: 31373077. PubMed.

  4. Faghihi G, Poostiyan N, Asilian A, et al. Efficacy of fractionated microneedle radiofrequency with and without adding subcision for the treatment of atrophic facial acne scars: A randomized split-face clinical study. J Cosmet Dermatol. 2017;16(2):223-229. DOI: 10.1111/jocd.12346. PMID: 28432727. PubMed.

  5. Dastgheib M, Heidari S, Azizipour A, et al. Investigating the impact of added Profhilo mesogel to subcision versus subcision monotherapy in treating acne scars; a single-blinded, split-face randomized trial. J Cosmet Dermatol. 2024;23(6):1992-2000. DOI: 10.1111/jocd.16258. PMID: 38429946. PubMed.

  6. Diab S, Diab I, Khaddam J. Subcision Versus Subcision With Suction for the Treatment of Atrophic Acne Scars: A Randomized, Split-Face Clinical Trial. Dermatol Surg. 2026. DOI: 10.1097/DSS.0000000000005135. PMID: 42054473. PubMed.

  7. Ou Y, An G, Liang J, et al. Laser, Microneedling, and Combination Therapies for Moderate to Severe Acne Atrophic Scars: A Systematic Review and Network Meta-Analysis. Aesthetic Plast Surg. 2026. DOI: 10.1007/s00266-026-06165-8. PMID: 42429955. PubMed.

  8. ゴリラクリニック. メンズのニキビ跡治療・ニキビ跡のレーザー治療について. 公式サイト.

※本記事は一般的な医療情報を提供するもので、個別の治療適応や施術方法を指定するものではありません。ニキビ跡治療は自由診療となることが多く、効果・必要回数・ダウンタイムには個人差があります。実際の治療では、活動性ニキビ、瘢痕タイプ、肌色、既往歴、内服薬、過去の治療歴などを医師が確認したうえで方法を選択します。

関連クリニック

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