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自毛植毛を検討している人の中には、「高血圧があるけれど手術できる?」「糖尿病だと生着しにくい?」「アスピリンや抗凝固薬を飲んでいるが、何日前から止めればいい?」と不安に感じる人もいます。
結論からいうと、高血圧・糖尿病・心疾患などの持病や、血液を固まりにくくする薬を使っていることだけで、自毛植毛が一律に不可能になるわけではありません。一方で、自毛植毛は局所麻酔で行われることが多い日帰り手術でも、毛包を多数採取し、移植部に多数の小さな創を作る外科処置です。持病が十分にコントロールされていない場合や、薬を自己判断で中止した場合には、出血・血圧変動・低血糖や高血糖・創傷治癒遅延・心血管イベントなど、薄毛そのものとは別の安全性の問題が生じます。
特に重要なのは、「植毛のためだから薬を止めればよい」と考えないことです。抗血小板薬・抗凝固薬には、心筋梗塞、脳梗塞、心房細動、人工弁、深部静脈血栓症などを背景に処方されているものがあります。自毛植毛の実践ガイドラインでも、こうした薬は生命予後に関わるため安易に中止できず、手術医と処方医が出血リスクと血栓リスクを比較して判断すべきとされています。
この記事では、高血圧、糖尿病、心疾患、血液を固まりにくくする薬、肝臓・腎臓の病気、感染症、免疫抑制薬などがある場合に、自毛植毛前に何を確認するかを、毛髪移植の実践ガイドライン、国際的な専門家コンセンサス、ISHRSの患者向け情報、皮膚外科の周術期資料をもとに整理します。
この記事の要点
- 高血圧・糖尿病などの持病があること自体は、自毛植毛の絶対的な禁止条件とは限りません。
- 重要なのは、病気が安定しているか、手術に耐えられる状態か、服薬管理を安全に行えるかです。
- コントロール不良の高血圧では術中・術後の出血や血圧上昇が問題になり、コントロール不良の糖尿病では創傷治癒や感染、周術期の血糖変動が問題になります。
- アスピリン、クロピドグレル、ワルファリン、DOACなどを自己判断で中止してはいけません。中止により血栓症の危険が増えることがあります。
- 市販薬、NSAIDs、サプリメント、漢方・ハーブも含め、使用しているものを手術前に申告します。
- FUEだから全身状態の確認が不要、ノンシェーブンだから安全性評価を省略できる、ということはありません。
- 最終的な手術可否と薬の調整は、自毛植毛を行う医師と、必要に応じて循環器内科・糖尿病内科などの主治医が個別に判断します。
自毛植毛は「美容目的でも手術」である
自毛植毛は、一般に後頭部・側頭部などからAGAの影響を受けにくい毛包を採取し、生え際や頭頂部などへ移植する治療です。
FUEでは小径パンチを使って毛包単位を一つずつ採取し、FUTでは後頭部の頭皮を帯状に切除して毛包単位へ分けます。採取方法は異なりますが、どちらも局所麻酔を使い、採取部と移植部に創ができます。移植株数が多ければ手術時間も長くなりやすく、途中で麻酔薬や血圧、出血、体調を継続して管理する必要があります。
「入院しない」「全身麻酔ではない」という理由だけで、持病の確認を軽視してよいわけではありません。
2021年に公表されたHair Transplant Practice Guidelinesでは、高血圧、糖尿病、心疾患などの特殊状況について術前評価を行うことが推奨されています。2023年に報告された国際専門家コンセンサスでも、併存疾患を評価し、患者ごとに周術期プランを作ることが強調されています。
高血圧でも自毛植毛はできる?
高血圧があるだけで、自毛植毛が直ちに不可能になるわけではありません。問題になるのは、血圧が十分に管理されていない状態です。
毛髪移植に関するレビューでは、コントロール不良の高血圧では術後出血が増える可能性があるとされています。自毛植毛では移植部に多数の小さなスリットやホールを作り、FUEでは採取部にも多数の小創ができます。血圧が高い状態では、術中のにじみ出るような出血が増え、視野やグラフト挿入操作に影響することがあります。
また、緊張や痛み、長時間の手術、カフェイン、喫煙、局所麻酔に併用される血管収縮薬などによって、普段より血圧が上がる人もいます。
「血圧○○なら手術できない」と一律に決められる?
一つの数字だけで全員を一律に線引きすることはできません。
普段の血圧、治療状況、心血管疾患の有無、手術時間、使用する麻酔、鎮静の有無、クリニックの緊急対応体制などを含めて判断します。普段から高値が続いている、降圧薬を飲んでも安定していない、胸痛・息切れ・失神歴などがある場合は、植毛の日程を優先するのではなく、まず主治医の評価と血圧管理を優先するのが合理的です。
降圧薬は手術日に止める?
自己判断で止めないでください。
毛髪移植の実践ガイドラインでは、多くの降圧薬を手術当日まで継続する考え方が示されていますが、薬剤の種類や心疾患の背景によって扱いは変わります。一般的な周術期管理でも、薬ごとに継続・調整の考え方が異なります。
したがって、「植毛だから朝の薬は全部抜く」「ネットで見たから特定の薬だけ止める」といった対応は避け、手術施設から受けた指示と処方医の方針に従います。
糖尿病でも自毛植毛はできる?
糖尿病も、診断があるだけで自毛植毛が一律に禁止される病気ではありません。ただし、血糖コントロールが悪い状態では、手術に伴うリスク評価が重要になります。
Hair Transplant Practice Guidelinesでは、糖尿病患者の術前評価を糖尿病専門医・内分泌専門医などと連携して行い、予定手術までに血糖コントロールを最適化すること、最近のHbA1cを確認することが提案されています。
糖尿病で確認する主なポイント
- 最近のHbA1cと普段の血糖値
- 低血糖を起こしやすいか
- インスリンやSU薬などの使用状況
- 腎機能
- 心血管疾患の有無
- 末梢循環や創傷治癒の問題
- 感染症を繰り返していないか
- 手術当日の食事・絶食の指示と薬の扱い
自毛植毛は数時間に及ぶことがあるため、「朝食を抜くのか」「糖尿病薬をどうするのか」「途中で血糖を確認するのか」は、普段の治療内容によって変わります。
HbA1cが高ければ必ず植毛できない?
「HbA1cが○%以上なら絶対に植毛不可」と、毛髪移植だけを対象に確立した世界共通のカットオフがあるわけではありません。
大切なのは、数字だけでなく、糖尿病が安定しているか、合併症があるか、予定される手術規模に対して安全に管理できるかです。コントロールが不十分なら、植毛を急ぐより、まず糖尿病治療を整える方が安全性の面で優先されます。
糖尿病だと移植毛の「定着率」が必ず下がる?
糖尿病だから定着率が何%下がる、という信頼性の高い大規模データは確認できません。
糖尿病では一般に創傷治癒や感染リスクが問題になることがありますが、それをそのまま「植毛グラフトの定着率が必ず低い」と言い換えることはできません。
自毛植毛で重要なのは、血糖管理、組織の状態、採取・保存・移植技術、喫煙、術後ケアなど複数の要素です。糖尿病がある人ほど、単純な成功率の数字ではなく、術前に全身状態を評価してもらえるかを重視してください。
アスピリン・クロピドグレルなどの抗血小板薬はどうする?
抗血小板薬は、血小板が集まって血栓を作る働きを抑える薬です。アスピリンやクロピドグレルなどが代表例です。
これらの薬を使っていると、手術時の出血が増える可能性があります。しかし、だからといって自己判断で止めてよいわけではありません。
心筋梗塞や脳梗塞、冠動脈ステントなどを背景に抗血小板薬を処方されている場合、中断によって血栓イベントのリスクが高まる可能性があります。
皮膚外科のレビューでは、抗血栓薬の中断による血栓イベントはまれでも重篤になり得るため、小手術では継続が選ばれる場面が多いとされています。一方、自毛植毛は多数の採取・移植操作を長時間行うことがあり、一般的な小さな皮膚切除と完全に同じとは限りません。
そのため、「皮膚手術では続けるらしいから植毛でも必ず続ける」「植毛では血が出るから必ず止める」のどちらも適切ではありません。
手術医と処方医が、何のために薬を使っているのか、止めた場合の血栓リスク、続けた場合の出血リスクを確認して決めることが重要です。
ワルファリンやDOACを飲んでいても植毛できる?
ワルファリン、アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバン、ダビガトランなどの抗凝固薬を使用している人もいます。
毛髪移植の実践ガイドラインは、血液を固まりにくくする薬は生命を守るために使われていることがあり、美容目的の手術のために安易に止めるべきではないと明確に注意しています。必要に応じて循環器内科などの主治医から手術適応や休薬の可否について意見を得ることが推奨されています。
ワルファリンではINR、DOACでは腎機能、最終内服時刻、血栓リスク、出血リスクなどが判断材料になりますが、具体的な中止日数は薬剤と患者背景で異なります。
この記事を読んで自己調整せず、必ず処方医と手術医に確認してください。
「血液サラサラ薬」は処方薬だけではない
術前に申告すべきものは、抗凝固薬や抗血小板薬だけではありません。
市販の鎮痛薬、NSAIDs、サプリメント、ハーブ製品などでも、出血や麻酔、血圧に影響することがあります。ISHRSは、抗炎症薬やハーブ製品を含め、使用している薬剤・サプリメントを手術医へ伝えるよう案内しています。
特に「サプリだから薬ではない」「ドラッグストアで買ったから申告不要」と考えないことが大切です。
カウンセリング時には、処方薬・市販薬・サプリ・漢方・育毛関連製品をまとめた一覧を持参すると確認しやすくなります。
心疾患がある場合
狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、心房細動、冠動脈ステント、人工弁などがある場合は、薄毛よりもまず循環器系の安全性が優先されます。
Hair Transplant Practice Guidelinesでは、胸痛、息切れ、失神・失神前症状、既往の心疾患などがある患者では、必要に応じて心電図や循環器評価を考慮するよう述べています。
自毛植毛は長時間同じ姿勢で行われることがあり、局所麻酔に加えて鎮静薬を使う施設もあります。心疾患がある場合は、麻酔方法、手術時間、緊急時の対応、抗血栓薬の扱いまで事前に確認することが重要です。
腎臓病・肝臓病がある場合
腎機能や肝機能の低下がある場合、薬剤の代謝・排泄、止血、感染、全身状態に影響することがあります。
また、腎機能は一部の抗凝固薬の周術期管理にも関係します。肝疾患では凝固機能や血小板数が問題になる場合があります。
「頭皮の手術だから腎臓・肝臓は関係ない」と考えず、診断名、検査値、使用薬を手術前に申告してください。
免疫抑制薬・ステロイド・抗がん剤を使っている場合
ISHRSは、免疫抑制薬、化学療法、免疫抑制状態などを、毛髪移植前に医師が把握すべきリスク因子として挙げています。
これらは感染リスク、創傷治癒、脱毛の原因そのもの、全身状態と関係します。治療中の病気によっては、自毛植毛より原疾患の治療を優先する必要があります。
自己判断でステロイドや免疫抑制薬を中断することは危険です。必ず主治医と相談してください。
頭皮に感染・炎症がある場合
毛嚢炎、膿瘍、強い脂漏性皮膚炎、感染を伴う頭皮病変などがあるときは、まず頭皮状態を整える必要があります。
また、円形脱毛症や瘢痕性脱毛症など、AGAとは異なる脱毛症では、自毛植毛の適応そのものが変わります。特に活動性の瘢痕性脱毛症では、病勢が落ち着いていない段階の植毛は適さないことがあります。
「髪が薄い=すべてAGA=植毛できる」と考えず、診断を確認することが重要です。
肥満や睡眠時無呼吸がある場合は?
肥満はISHRSが挙げる術前リスク因子の一つです。肥満だけで手術不可とは限りませんが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心血管疾患などを合併していることがあります。
また、強いいびきや睡眠時無呼吸があり、鎮静薬を使う予定がある場合は、呼吸状態の情報も手術施設へ伝えるのが安全です。鎮静の有無や方法は施設によって異なるため、カウンセリングで確認してください。
喫煙・飲酒も持病と同じく申告する
喫煙や多量飲酒は「生活習慣だから申告しなくてよい」情報ではありません。
ISHRSは喫煙・多量飲酒を毛髪移植の周術期リスク因子として挙げています。喫煙は組織血流や創傷治癒への影響が懸念され、飲酒は出血や脱水、薬剤との相互作用などの問題があります。
詳しくは自毛植毛前後の喫煙・飲酒はいつ控える?で整理しています。
FUEなら持病があっても安全?
FUEはFUTのような線状切開を避けられますが、「持病の影響を受けない手術」という意味ではありません。
FUEでも多数の毛包を採取し、多数の移植孔を作ります。局所麻酔を使用し、出血管理を行い、数時間に及ぶことがあります。
高血圧、糖尿病、心疾患、抗凝固薬などの評価は、FUEでも必要です。
FUEとFUTの違いは自毛植毛のFUEとFUTの違いで解説しています。
ノンシェーブンFUEならリスクは少ない?
ノンシェーブンFUEは、後頭部を大きく刈り上げずに採取できるため、見た目のダウンタイムを抑えやすい方法です。
ただし、採取方法の見た目が違うだけで、全身状態の評価、麻酔、出血、感染、血糖・血圧管理が不要になるわけではありません。
「刈らない=低侵襲だから薬も止めなくてよい/何も申告しなくてよい」という理解は避けてください。
局所麻酔だから心配しなくてよい?
自毛植毛は局所麻酔で行われることが多いですが、局所麻酔にも最大投与量や全身への影響があります。広い範囲へ何回も追加するため、使用量と投与時刻を管理することが重要です。
Hair Transplant Practice Guidelinesでは、局所麻酔薬の管理、緊急時への備え、既往のアレルギーや歯科治療などでの麻酔反応歴を確認することが推奨されています。
麻酔や痛みについては自毛植毛は痛い?麻酔注射・術後の痛みも参考にしてください。
手術前に受ける検査は全員同じ?
必要な検査は施設、年齢、既往歴、薬、予定する手術内容によって異なります。
毛髪移植のガイドラインでは、糖尿病患者では最近のHbA1c確認、心疾患や症状がある場合には心電図など、状況に応じた評価が提案されています。
一方で、健康な人全員にあらゆる検査を行うべきという意味ではありません。
血液検査の内容、感染症検査、心電図の有無などは、カウンセリング時に確認してください。
手術を延期した方がよい可能性がある状態
次のような状態では、予定どおり植毛を行うより、原疾患の治療や追加評価を優先することがあります。
- 血圧が著しく不安定
- 糖尿病コントロールが不十分
- 最近、心筋梗塞や脳梗塞など重大なイベントがあった
- 胸痛、呼吸困難、失神など未評価の症状がある
- 抗血栓薬の扱いについて処方医と合意できていない
- 発熱や活動性感染がある
- 頭皮に強い炎症や膿がある
- 重い貧血や凝固異常が疑われる
- 原疾患の治療中で、手術時期が不適切と主治医が判断している
これは自己判定用の「禁止リスト」ではありません。該当する場合は、手術施設へ事前に伝え、必要な診療科と連携して判断します。
術前カウンセリングで必ず伝えたい情報
持病がある人は、次の情報を整理しておくと安全性評価がしやすくなります。
病名
高血圧、糖尿病、不整脈、心筋梗塞、脳梗塞、腎臓病、肝臓病、喘息、睡眠時無呼吸、てんかん、アレルギーなど、頭皮と関係なさそうな病気も含めます。
手術歴・麻酔歴
過去に麻酔で気分が悪くなった、アレルギーが出た、手術後の出血が止まりにくかった、といった情報も重要です。
すべての薬
処方薬だけでなく、市販の鎮痛薬、風邪薬、サプリメント、漢方、育毛関連薬も含めます。
薬を飲んでいる理由
同じアスピリンでも、単なる鎮痛目的と、冠動脈疾患の再発予防では中止の重みが大きく違います。「薬の名前」だけでなく「何の病気のために飲んでいるか」も伝えてください。
最近の検査値
血圧手帳、HbA1c、血糖、腎機能、INRなど、主治医から最近の結果をもらっている場合は持参すると話が早くなります。
「休薬してください」と言われたら何を確認する?
自毛植毛クリニックから特定の薬の休薬を指示された場合は、次を確認してください。
- どの薬を、なぜ止めるのか
- 何日前から止めるのか
- 誰がその休薬を承認したのか
- 中止中の血栓リスクをどう評価したか
- いつ再開するのか
- 処方医への確認が必要か
特に心血管疾患のための抗血栓薬は、処方医に相談せず中断しないことが重要です。
市販の痛み止めなら自分で止めてもいい?
市販薬でも、何を含んでいるかによって違います。
NSAIDsは血小板機能や出血に影響することがあります。一方で、手術前の鎮痛が必要な病気がある場合もあります。
商品名だけでは成分が分かりにくいこともあるため、現物や写真を見せて確認すると確実です。
サプリメントも伝えるべき?
はい。
ISHRSはハーブ製品・サプリメントも術前に確認すべき要素として挙げています。出血、血圧、麻酔薬との相互作用などが十分に分かっていない製品もあります。
特に複数のサプリを使っている場合は、「健康食品だから問題ない」と判断せず、一覧にして申告してください。
手術当日の朝食・水分はどうする?
これは施設の麻酔方法と患者の持病によって異なります。
局所麻酔のみで通常どおり食事を認める施設もあれば、鎮静を使うため飲食制限がある施設もあります。糖尿病薬やインスリンを使用している人では、食事の有無が低血糖・高血糖リスクに直結します。
必ず個別の術前指示を確認し、分からないまま自己流で絶食や服薬中止をしないでください。
持病がある人ほど「術後フォロー」を確認する
安全性は手術中だけではありません。
術後に出血が続く、発熱する、創部の赤みや膿が増える、胸痛や息苦しさが出る、血糖が大きく乱れるといった場合に、どこへ連絡するかを事前に確認しておく必要があります。
特に遠方から手術を受ける場合は、帰宅後の連絡先、緊急時の受診先、再診の方法を聞いておきましょう。
自毛植毛クリニック選びで確認したい安全性の項目
料金や症例写真だけでなく、次の点も比較してください。
- 医師が既往歴と薬を確認するか
- 血圧・糖尿病・心疾患がある場合の連携方針
- 抗血栓薬を自己判断で止めるよう促していないか
- 局所麻酔の投与量と記録を管理しているか
- 緊急時の薬剤・設備があるか
- 術後の問い合わせ窓口があるか
- 合併症が起きた場合の受診方法を説明しているか
自毛植毛は高額になりやすい治療ですが、安全性の確認を省いて価格だけで決めるのは避けた方がよいでしょう。
持病や服薬がある状態で自毛植毛を検討している人へ
湘南AGAクリニック大宮東口院では自毛植毛を扱っています。高血圧、糖尿病、抗血栓薬などがある場合は、予約前から使用薬と既往歴を伝え、手術可否や術前の扱いを個別に確認してください。
持病があると費用も変わる?
自毛植毛の基本料金は、術式や移植株数で決まることが一般的です。ただし、追加の血液検査、心電図、主治医への診療情報提供、再診などが必要になれば、周辺費用が増える可能性があります。
費用説明を受ける際は、「植毛代」だけでなく、術前検査、薬、麻酔、再診、術後処置がどこまで含まれるかを確認してください。
海外で植毛する場合は持病管理にさらに注意
海外植毛では、渡航時間、言語、処方薬の持ち込み、術後の帰国、緊急時の受診などが加わります。
高血圧・糖尿病・心疾患・抗血栓薬がある場合、手術自体だけでなく、長時間のフライトや現地での薬管理も考慮する必要があります。
価格差だけで判断せず、合併症が起きたときに国内で誰が診るのかまで確認してください。
よくある質問
高血圧の薬を飲んでいます。自毛植毛できますか?
降圧薬を使っていても、血圧が安定し、全身状態に問題がなければ手術を検討できる場合があります。ただし薬を自己判断で中断せず、手術施設へ薬剤名を伝えてください。
糖尿病だと移植毛は生着しませんか?
糖尿病だから移植毛が必ず生着しないという根拠はありません。一方、コントロール不良の糖尿病では創傷治癒や感染、周術期の血糖変動が問題になるため、術前評価が重要です。
アスピリンを飲んでいます。何日前から止めますか?
自己判断で中止しないでください。アスピリンの使用目的によっては中断に血栓リスクがあります。自毛植毛を行う医師と、必要に応じて処方医が判断します。
ワルファリンやDOACでも同じですか?
同様に自己中止は避けます。薬の種類、腎機能、血栓リスク、手術の出血リスクを踏まえて個別に調整します。
市販のロキソニンなどは申告が必要ですか?
必要です。NSAIDsなどは出血に影響する可能性があるため、市販薬も含めて使用状況を伝えてください。
サプリメントは申告しなくても大丈夫ですか?
サプリメントやハーブ製品も申告してください。成分によって出血や薬剤相互作用に影響する可能性があります。
FUEなら糖尿病や高血圧でも問題ありませんか?
FUEでも外科手術であることは変わりません。採取部と移植部に多数の創ができ、局所麻酔を使うため、持病の評価は必要です。
主治医に植毛することを伝えた方がいいですか?
持病があり、特に抗血栓薬、糖尿病薬、心疾患治療薬などを使っている場合は、主治医への相談が重要です。美容目的の手術であることも含めて伝えてください。
血液検査が正常なら持病を言わなくてもいいですか?
いいえ。検査値だけでは分からないリスクがあります。病名、薬、過去の手術・麻酔歴、アレルギーなどを正確に申告してください。
風邪や発熱がある日でも受けられますか?
予定手術は延期できる治療です。発熱や感染症状がある場合は、無理に受けず手術施設へ連絡してください。
研究・ガイドラインの限界
自毛植毛における高血圧・糖尿病・抗血栓薬管理については、大規模RCTが豊富にある分野ではありません。
2021年のHair Transplant Practice Guidelinesの多くの周術期推奨は、エビデンスレベル4、推奨度Dとされ、専門家意見に基づく部分があります。2023年の国際コンセンサスも、専門家の合意形成を用いた研究です。
皮膚外科の抗血栓薬データは参考になりますが、Mohs手術や小皮膚手術と、数千グラフトを扱う自毛植毛では手術時間・創の数・出血管理が異なります。
したがって、「この薬なら必ず継続」「このHbA1cなら必ず中止」と一般化するのではなく、持病、薬剤、手術規模、麻酔方法、施設体制を合わせて個別判断する必要があります。
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高血圧、糖尿病、心疾患、腎臓病、肝臓病などがあっても、自毛植毛が一律に不可能とは限りません。
ただし、コントロール不良の高血圧では出血や血圧変動、糖尿病では創傷治癒・感染・低血糖や高血糖、心疾患では手術中の循環動態、抗血栓薬では出血と血栓の両方を考える必要があります。
特にアスピリン、クロピドグレル、ワルファリン、DOACなどは、植毛のために自己判断で止めてはいけません。中止するか継続するかは、その薬が必要な理由と手術の出血リスクを確認し、手術医と処方医が判断します。
カウンセリングでは、病名、使用薬、市販薬、サプリメント、過去の麻酔歴、最近の検査結果を正確に伝えてください。持病がある人ほど、価格や症例数だけではなく、術前評価、他科連携、麻酔管理、緊急対応、術後フォローまで確認することが重要です。
参考文献・確認資料
- Mysore V, et al. Hair Transplant Practice Guidelines. J Cutan Aesthet Surg. 2021;14(3):265-284. PMCID: PMC8611706.
- Rossi A, et al. An international expert consensus statement focusing on pre and post hair transplantation care. Dermatol Ther. 2023. PMID:37477225.
- Brinks AL, et al. Hair Transplant: Patient Candidacy, Medical Optimization, and Surgical Considerations. Int J Dermatol. 2025. DOI:10.1111/ijd.17961.
- International Society of Hair Restoration Surgery. Hair Restoration Surgery Risk Factors. 2026年9月6日確認.
- International Society of Hair Restoration Surgery. Your Medical Treatment History: Important Information to Share With Your Hair Restoration Physician. 2026年9月6日確認.
- Strickler AG, et al. Preventing Complications in Dermatologic Surgery: Pre-surgical Concerns. 2022. PMCID: PMC9491024.
- British Society for Dermatological Surgery. Guidance on Antithrombotics and Skin Surgery 2023. 2026年9月6日確認.
- 湘南AGAクリニック「植毛・自毛植毛とは(仕組みや効果について)」2026年9月6日確認.
※本記事は一般的な医療情報です。個々の休薬・継続、手術可否、糖尿病薬・降圧薬の扱いは、手術医および各疾患の主治医の指示を優先してください。
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